第七章
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「まさに」
「そうか、覚えておくな」
「では次はね」
ジャガイモを食べ終えてだ、そうして。
沙耶香はメインの米茄子のステーキを食べた、程よくあっさりと味付けされたそのステーキも食べやすかった。
オリーブオイルで焼かれ塩と胡椒そしてオニオンソースで味付けされたそのステーキを食べてだ、沙耶香はこうしたことを言った。
「おそらくデザートも」
「それもかい」
「ドイツ人の好みに合わせているわね」
「そこでどうしてそう言ったんだい?」
シェフは沙耶香を見て楽しそうに笑って尋ねた。
「ドイツ人の好みっていうのは」
「ゲーテやワーグナーもそうでフリードリヒ大王もだったわね」
いずれもドイツの歴史上の人物だ、少なくとも現代のドイツ史ではそうなっている。フリードリヒ大王はプロイセン王であるがドイツにつながる人物として。
「そしてビスマルクやヒトラーも」
「ばらばらじゃないかい?」
「バラバラでないわ、誰もが好きな国があって」
沙耶香はここでシェフを見てくすりと笑って言った。
「貴方も多くのドイツ人もそうね」
「そしてその国は何処だっていうんだい?」
「イタリアよ」
くすりと笑ってだ、沙耶香はこの国の名前を出した。
「貴方の料理にしてもフレンチではないわね」
「そしてドイツでもない」
「スペインかというとそうでもないわ」
「それで、でいうんだな」
「最初にわかったわ」
口にして即座にというのだ。
「ワインはともかくとしてね」
「まあ実際にそうだがね」
シェフも笑って答えた、否定しなかった。むしろ肯定の返事だった。
「この店の料理はイタリアがベースさ」
「やっぱりそうね」
「無性に好きなんだよ」
「イタリアが」
「どうしてもな」
実際にというのだ。
「ベルリンでもイタリア料理は受けるんだよ」
「昔からそうね」
「ドイツじゃな、あんたが挙げた歴史上の人達もな」
「皆イタリアが好きだったわね」
「好きも好き、大好きさ」
それこそというのだ。
「何しろこの国は寒くて冬になれば空が鉛色になってな」
「暗いというのね」
「そうさ、それに対してイタリアは暖かくてしかも空は晴れ渡っている」
「だからこそイタリアが好きということね」
「イタリアと同じ国だった時もあるしな」
神聖ローマ帝国だ、ドイツとイタリアはおろかベネルクス三国にチェコ、ハンガリーも勢力圏に収めていた。軸は言うまでもなくハプスブルク家の本拠地ウィーンがあったオーストリアだ。
「好きだよ、特に料理が」
「そうね」
「まあジャガイモはドイツでワインもだがな」
「そこは貴方のこだわりかしら」
「イタリアばかりでも何か、だしな」
それでというのだ。
「そっちも入れてるさ」
「そういうことね」
「あ
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