第12話 何十分の一のクリスマス
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め、いろはの所に戻る。タオルで顔の汗を拭いていた時
「ん…あれ?…先輩?」
「おう、起きたか?」
「はい…どうして?」
「家に帰ったらお前がいなかったからな、そんでこっちに来たらお前が寝てて熱出してからな」
「そう、だったんですか…ごめんなさい先輩。お弁当作れなかったばかりか、晩御飯まで作れなくて」
「気にすんなよ、つか、病人は気にしないで寝てるのが一番だろうが。逆に無理される方が迷惑だ」
「むぅ、言い方が酷いです。もうちょっと優しい言い方できないんですかねぇ」
「むぅとかあざとい。お粥あるけど、食べれるか?」
「え?先輩が作ったんですか?」
「他に誰がいるんだよ。待ってろ、持ってきてやる」
「何から何までありがとうございます」
「気にすんなって、前に俺が風邪引いた時に世話になった時の借りだ」
「ふふ、さすが、先輩は捻デレてますね」
その言葉をスルーしてお粥の準備をする。
そして、それを終わらせて寝室まで持っていく。
「電気付けるぞ」
「はい」
「ほれ、熱いから気をつけろよ」
「あーん」
「うるせえ、自分で食え」
「えぇ、私が看病した時は先輩にたべさせてあげたじゃないですかぁ」
「却下、そしてあざとい」
「むぅ、いいです。先輩からの手料理を存分に味わうので、ありがとうございます」
「拗ねるか、感謝するかどっちかにしろよ。天邪鬼か」
フーフー、とゆっくりお粥を美味しそうに食べるいろは、ただのお粥なのにな。俺はそれを眺めながらぼーっとしていた。
「ごちそうさまでした、先輩。美味しかったですよ」
「お粗末様」
「それと…ごめんなさい折角のクリスマスだったのに」
「気にすんなっての」
「でも…折角の先輩と二人っきりのクリスマスなのに」
「いいだろそんなの」
「どうせ、これからもクリスマスなんて過ごすじゃねぇか…」ボソッ
「ふぇ?…///」
「…///」
「先輩…それって…///」
「うるせぇ、病人は寝てろ///」
と言って無理矢理いろはを横にさせて布団を被せた。そして、俺は立ち上がる。
「どこ行くんですか?」
「…タオル濡らし直しに行くんだよ」
そう言って寝室を出た。
(…勢いとはいえ、何で俺はあそこで言ってしまったんだー!!!)
と心で叫びながらタオルを濡らし直した。
これから続く、何十回分の中の一のクリスマスの日
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