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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#27
FUTURE’S MEMORYV〜Forever&ever〜
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逸れれば最後の波紋が直撃していた。
『ヌゥ……フゥゥ……グググ……』
 改めて認識する事でより深まる戦慄と、
それに伴う憎悪をイルヤンカは何とか抑えようとしていた。
 吸血鬼化による狂暴性の増大を踏まえれば無理もないが、
己を殺しかけた男に対し言い様のないドス黒い感情が噴き出した。
『GUUUU……GOGOGO……』
 煮え滾る負の感情が形にならない内に、
イルヤンカはその存在ごと灰燼に帰す事を選ぶ。
 このまま狂気に焼かれて暴走するのは、
この戦いスベテを否定する事。
 相手以上に自分も、その同胞すらも貶めるコトになる。
 何より、四肢をもがれたとはいえこの 『男』
本当に最後の最後、ナニカ仕掛けてくるかも知れない、
それ故に近寄るべきではないと即断した。
「……」
 死して尚強靭な精神力を研ぎ澄ませるイルヤンカ、
その老獪且つ深き思慮は、実質杞憂に終わった。
 最早ジョセフに、彼の姿は見えていない、
眼前で集束する破滅の炎も。
 本当に本当に、スベテは出尽くした、何もかもヤり尽くした、
最早何の 『策』 も浮かんでこない、躯も動かない。
 ただ、 “オレは死ぬんだな” と妙に冷静に覚っている自分と、
それを受け入れた事による安堵が有るのみだった。
 恐怖はなかった、痛みも感じなくなっていた、
絶対在ると想っていた、後悔と無念も。
(……)
 想えば、それほど 「悔い」 のない
『人生』 だったのかもしれない。
 愛する者と結ばれ、死んだと思っていた母親が生きており、
子供や孫にまで恵まれた。
 オマケに、異世界の少女やその友人とも掛け替えのない時間を過ごす事が出来て、
これで満足出来ないなら一体何に満足するのかと想う。
 無論、殺される事を望んでいたわけではなく、
皆に別れを告げられずに逝くのは心残りではあるが、
“伝えるべき事は全て伝えた” そのようにも想える。
 なんだか、支離滅裂で上手くまとまってないが、
まぁ、 “そういう事” なのだろう。
(後は……任せたぞ……承太郎……)
 若き風貌のままだが心は祖父に戻って、ジョセフは想いを託す。
 脳裡に甦る、最後の仲間。
 旅の重荷を背負わすのは酷かもしれないが、きっと周りが支えてくれるだろう。
 大丈夫、きっと、大丈夫。
 全員が力を合わせれば、どんな苦難も乗り越えられる。
 大丈夫。自分が、見守っているから。
 何かあったら、すぐに駆けつけるから。
 アイツと一緒に。
 だから、それまで……




 微かに口唇が動き、瞳を閉じたジョセフは笑みを浮かべた。
 イルヤンカも一瞬止まったが、本当に最後なのだろうと受け止めた。
 せめて苦しまぬよう、安らかに。
 渦巻く狂気が沈静し、イルヤンカは
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