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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#27
FUTURE’S MEMORYV〜Forever&ever〜
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見事打開した彼の 『奇策』 は以下の通り。
『幕瘴壁』 の絶大なる能力を具に分析したジョセフは、
“敢えて弾かせる為に” 真正面から鉄球を放った。
 予想通り頭上へと跳ね上がった鉄球の軌道と落下速度を計算に入れ、
ソレをビリヤードのように弾き返すため二発目を射出、
瓦礫と化した建造物の 「破壊痕」 を利用して跳ね返した。
 ここで当然、如何にして “そのような都合の良い場所” を見つけだしたのか?
という疑問が浮かぶ。
 その解答(こたえ)は、彼自身のスタンド能力
隠 者 の 紫(ハーミット・パープル)』 によるモノ。
 その能力は遠隔透視、所謂 『念写』 であるが、
“その念写するもの” は何も人物、風景だけとは限らない。  
 その気になれば物体の構成物質の出自、海に流れ着いた果実の経路、
果ては人体の内面すら正確に描写することが可能なのだ。
 故に自身の望む 「着弾角度」 を見つけだすなど至極簡単なコト、
後は地面に映った計図を見られないように、発射のタイミングを測るのみ。
 薄氷の上を行く、鋼線の綱渡りのように繊細な策だが、
()まってしまえばその威力は絶大。
 難攻不落、完全無欠の 『幕瘴壁』 を、
存在しないが如くに透り抜けてしまうのだから。
『GUOOOOOOOOOOOOOOOOッッッッッッッッ!!!!!!!!
AAAAAAAAAAAAAOOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHH
HHHHHHHHH―――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!』
 頭蓋の中枢に向けて疾走する、波紋と衝撃に巨竜が嗟嘆(さたん)する。
 その両方を生み出す鉄球の回転は、未だ衰える事をしらず眼窩内部を(えぐ)り続ける。
 迸る光と噴き出す炎が、互いに混ざり合って空間に散華した。
 大樹のような首が激しく(たわ)み、先の頭部が夥しく揺れ動いた。
(最後の……波紋……ッ!)
 スカーフから取りだした、 “もう一つの” ボーガンを構え、
番えた鉄球に死力を注ぎ込みながらジョセフは狙いを定めた。
 弓の大きさは先刻の半分くらいだが、
眼窩の内部で回転する初弾を押し込んで止めを刺すには充分。
 最早勝つ、生きる、何れの思考もジョセフの脳裡から消え失せていた。
 人々の平穏を、 “アイツ” の生きる 『世界』 を、
暴虐から護りたいだけだった。
 そしてその何よりも強い想いが、時間も空間も超えて嘗ての者と交差する。
(絶対に諦めねぇッッ!! 
ジョナサン・ジョースター!! アンタと同じようにッッ!!
 シーザー!! 最後の力をッッ!!
一緒に戦ってくれえええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッッッッ!!!!!!)
 再び双眸に燃え上がる、黄金の炎
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