暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
たまには故郷のMammaの味を。
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 長く、苦しい夏の大規模作戦だった。『第二次SN作戦』ーー。数年前にも大規模作戦の戦場となったソロモン海海域を再び主戦場とした今作戦では、我が鎮守府は敵の部隊の戦力を削る「丙作戦」に編入され、1隻の撃沈を出す事もなく見事に担当した7つの海域を突破。新たに海外艦娘を含めて7隻の新規加入メンバーを迎える事となった。なので今日は、その海外艦娘の歓迎会を兼ねた慰労会をやろう、という運びになった。それに合わせて、家具職人妖精さんを始め、多くの妖精さん達に協力してもらって店舗にも手心を加えた。細工は隆々、準備万端だ。と、待ち兼ねた客が来たらしい。扉をノックする音がする。

「おー、来たな。入れ入れ!」

「提督、こんばんは。」

おっとりした印象を受ける柔和な雰囲気を纏った戦艦・リットリオ。今は改装を済ませてイタリアか。

「……お招きどうも。」

眼鏡に仏頂面、いつも不機嫌そうな神経質そうな表情のローマ。そしてその影に隠れるように、ちょこちょこと小さな影が1つ。

「提督さ〜んっ!リベも来たよ〜?」

そう、今回の主賓とも言えるマエストラーレ級駆逐艦3番艦・リベッチオだ。見た目通り、清霜とか卯月に近い元気いっぱいなタイプだな。

「まぁまぁ、まずは座って。」

俺はそう言って3人をカウンターに導く。イタリアは店の中をキョロキョロと興味深そうに眺めている。

「他の方の話には聞いていましたけど、本当に良い雰囲気のbar(バル)ですね。」

そうそう、イタリアとかスペインなんかのラテン語圏だと、barって書きは一緒でも読みが英語圏とは全然違うものな。

「あぁ、今回お前達をもてなすのに、少し弄ったからな。ちょっとイタリアのバルっぽく模様替えしたんだ。」

 しかし何と言っても、最大の目玉はピザ焼き用の石窯だろう。本場イタリアの素材というわけには行かなかったが、妖精さん達の頑張りで本格的な石窯が組上がった。



「何はともあれ、夏の大規模作戦、お疲れ様でした。イタリアとローマ。二人の活躍がなければこうしてリベッチオを迎える事はできなかっただろう。」

「……ふん、褒められて悪い気はしないわね。」

「提督の的確な指示があればこそ、ですよ。」

 対称的だが、二人ともどこまでもマイペース。こんな感じがイタリア艦娘の特徴なのか?

「そこで、だ。お前達二人も着任して約半年だ。そろそろ故郷の味が恋しくなって来た頃だろうと思ってな。リベッチオの歓迎会も兼ねて、お前達に俺からイタリアンを振る舞おうと思ってな。」

 おお〜、と驚きの声をあげるリベッチオ。そして嬉しそうに顔を綻ばせるイタリア。しかしローマは……

「あら、日本人の貴方に私達が納得出来る料理が作れるのかしら。」

 と、眉に唾付けて
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