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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
11話『思惑』
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・ダラス……奴の発生させた幻夢界の中に取り込まれた一夏、鈴、セシリアの三人は間違いなく死んでいたと言う確信がある。

 殆ど学園の生徒全員を見捨てたと言う事実を知られれば詩乃には怒られるかもしれないが、今回の事はDEMの利益と技術的な優位を失う事に繋がる危険性がある……しかも、四季の判断で、だ。
 今回ばかりは詩乃に嫌われたくないと言う理由よりも、彼女を守れなくなると言う理由が僅かばかり勝ってしまう。

「それは分かっているが、お前は例外では無いのか?」

「……養子とは言えオレがDEMの後継者としての権利を持っているから、ですか?」

「ああ」

 ……パイロットであると同時に後継者である四季なら企業も説得できるだろうと言う考えの下にだ。
 既に学園に提案してヴレイブが見せた機能に対するデータの開示の交渉をDEMへ学園側から行なっているが、それには色好い返事を得ていない。……相手への交渉材料が無い、と言うのが問題だが。契約変更に対する対価が殆ど用意できないのが学園側の現状だ。

「織斑先生、元々IS学園は日本政府が運営を行なっている場所ですよね?」

「ああ、だが……」

「建前はどうであれ、此処でのデータ開示は学園だけでなく、日本政府にも無償で秘匿技術を公表すると言う事に繋がります。建前をバカ正直に信じるなら……余計に状況は悪くなる」

 この学園で得られた技術は建前上、協定参加国の共有財産となっているが、そもそも日本政府が決して安くは無い運営資金まで『日本人がISを発明したのだから』と他国からの圧力で払わされているのだから、態々入手できる他国の最新技術と秘匿技術の結晶である専用機のデータをバカ正直に共有財産にする訳は無いと言うのがDEM側の……と言うよりも四季の父の考えだ。

 建前上、各国の共有財産になっているのだろうが、それを逸早く入手できる位置に居るのは矢張り運営している日本だ。
 DEMはG−アームズからの技術提供、回収した機兵から得られた技術等、様々な他国を凌駕する技術を有している。一例としてはイギリスのBIT兵器よりも高性能なファンネル……その強化型であるフィン・ファンネルが挙げられる。

「あの時見せた能力は秘匿技術の中でも特に重要度の高い技術に当たります」

 遠回しに『提供は出来ない』と告げる。
 まあ、銀の円盤を渡した所でファンタジー世界の技術……特に魔法に近い技術に当たる銀の円盤を科学面だけの知識だけで解析できるとは思えない。また獣騎士ベルガ・ダラスが出てくるとは思わないが。

 この学園の生徒との関係、兄である一夏との関係も大切な物だが……DEMコーポレーションと天秤にかければ確実に四季はDEMを取る。
 簡単な話しだ……“IS学園(ここ)には詩乃が居ない”。彼女を
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