第六章
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「ガチだから」
「あの人もやっぱりか」
「柔道や普通のサンボだけじゃなくてね」
「コマンドサンボの達人でもあるか」
「わかってると思うけれど実際に会ってもね」
「下手なことしたら駄目か」
「それこそ私なんかよりもよ」
色々な技を的確に披露したエリカよりもというのだ。
「遥かに強いから」
「あの人ガチで任務上で殺したって噂あるな」
「そんな目してるでしょ」
「何人か何十人かな」
「そんなことが出来るから」
コマンドサンボ、それはというのだ。
「だから本当に使用厳禁よ」
「よくわかったぜ、俺もな」
「そういうことでね、じゃあクラスに戻って」
「授業受けるか」
「そうしましょう、じゃあちょっとスパッツ脱いで来るから」
倉庫から出てだ、エリカは幸太郎にこうも言った。
「少しだけ時間頂戴」
「ああ、わかったよ」
「それで道場出るから」
最後にこう言ってだ、エリカは実際にスパッツを脱いで格闘技をする姿から普通の学生の姿に戻った。そうして幸太郎と共にクラスに戻った。そこで幸太郎はエリカに彼女にコマンドサンボのことを聞いた時に読んでいた本のことを尋ねた。
「あれ何の本だったんだ?」
「あれ?ライトノベルよ」
あっさりとだ、エリカは幸太郎に答えた。
「今アニメ化してるね」
「そうだったのかよ」
「そうよ、何だって思ったの?」
「いや、やっぱり元軍人さんの娘さんだからな」
それでというのだ。
「架空戦記とかな、あとロシア人とのハーフだから」
「ロシア文学?」
「トルストイとかな」
「私そういうの読まないから」
またあっさりと答えた。
「コメディー系のラノベが多いわ」
「そうなんだな」
「そうした重いのは読まないわよ」
「そうなんだな」
「コマンドサンボしててもね」
それでもというのだ。
「私だって日本の女子高生だから」
「読むものはそんなのか」
「というかそうした本は趣味じゃないから」
架空戦記やロシア文学はというのだ。
「コマンドサンボやっててもね」
「そういうことか」
「そうよ、まあとにかく授業だから」
「ああ、またな」
「また何か聞きたいことあったら言って」
コマンドサンボでというのだ。
「話せることだったら全部話すから」
「ああ、頼むな」
「そういうことでね」
授業がはじまる前にこうしたことを話してだ、二人はそれぞれの席に着いた。そして後は普通の学生生活だった。幸太郎は時々エリカとコマンドサンボのことを話したが他は普通の高校生の会話をした。ただそれだけでコマンドサンボの技を使うことはなかった。そのうえでラグビーも日常生活も楽しんでいった。
コマンドサンボの女 完
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