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提督はBarにいる。
提督の簡単?おつまみクッキング〜チューハイ編@〜
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 その相談を鈴谷から受けたのは、執務を始める前の朝食の時だった。

『つまみの作り方を教えて欲しい、だぁ?』

『う、うん。』

 少しモジモジしながら、頬を赤く染めて向かいに座った鈴谷がそう言ってきた。隣に座る姉妹艦の熊野がフォローを入れてくる。

『実は最近、鈴谷に鎮守府外に恋人が出来たんですの。鈴谷は家事一般は出来ますし、お料理の味も私(わたくし)が保証致しますけれど……少し、お酒に合わせたメニューのレパートリーに不安がございますの。』

 熊野は普段から神戸生まれのお洒落でお淑やかな重巡で通ってはいるが、こういった恋バナやゴシップ系のネタとなると、途端に大阪のオバチャンと化してしまう。今も周りに聞こえるような大声でベラベラと喋っている。鈴谷が真っ赤になって必死に「バカ、熊野!シーっ、シーっ?」と黙らせようとしているが、時既に遅し。周りの艦娘達は久しぶりの恋バナにキャアキャアとはしゃぎながら騒いでいる。

『ま、まぁとりあえず今晩店に来い。話を聞きながら教えてやるから。』



 そして、今に至る。

「も〜…熊野のバカぁ。今日1日青葉に付き纏われて大変だったじゃんかよぉ。」

「あらあら、私嘘は言っておりません事よ?」

「嘘じゃなくても言って良いことと悪い事があるよぉ〜…。」

 店には、鈴谷と何故か熊野が来ていた。どうやら、一緒に作り方を勉強しに来たらしい。

「さてさて、鈴谷の彼氏とやらは何を飲むんだ?」

 酒のつまみと一言に言っても、酒によって合う・合わないは存在するだろう。やはり赤ワインには肉料理かチーズを合わせたいし、日本酒には刺身等の和の味を合わせたい。だからこそ、飲む相手の酒に合わせて作った方が良いだろう。

「ん〜とね…鈴谷のダーリンは、お酒飲むのは好きなんだけど、あんまり強くないから缶チューハイが多いんだよねぇ。」

 ふむ、となるとチョイスが難しい。今時の缶チューハイはベースとなる酒がメーカーによってバラバラだ。ならば、と俺はある提案をする。

「なら鈴谷、その彼氏には『本物のチューハイ』も一緒に味わってもらったらどうだ?」

「本物のチューハイ?何それ。」

 ふふふ、まぁ見てな。と俺は作り始めた。タンブラーグラスに氷を入れたら先ずは焼酎。チューハイにするなら甲類焼酎の方がクセが少なく適しているだろう。そこに炭酸水を注ぎ、スライスレモンを入れて、マドラーで上下に2、3度突くようにかき混ぜる。

「なんだかウィスキーのハイボールの様ですわね。」

「そりゃそうだ。チューハイってのは元々焼酎ハイボールの略称だからな。作り方は一緒だよ。」

 そう言って二人にタンブラーグラスを渡す。まずは味を覚えて貰おう。

「あっ、炭酸のシュワシュワでキ
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