第5話(改2.5)<私たちが護る>
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き地目がけて弾着が続く。
既に敵は完全に沈黙しているが今度は艦砲射撃が止まらない。
「お、おい!」
次第に関係ない場所……基地以外の畑とか雑木林にまで次々と着弾し始めた。
私は慌てて顔を出した乗客たちを壕へと戻した。
「皆さん、一度戻って下さい!」
振り返ると地響きと同時に飛び散る無数の破片。
「正気か?」
しかも最初は精度が高かった砲撃が気のせいか次第に投げやり的になって来た。まさか……と思ったが明らかに着弾がズレている。
(こっちも感情的だな……)
そんな印象を受けた。この感情的かつムラのある攻撃パターンは艦娘に違いないと確信した。
私は艦娘を指揮した経験があるから、それが分かる。
なにしろ艦砲射撃だ。身の丈は小さくても、れっきとした海軍の艦船なのだ。その辺の野戦砲とは破壊力が違う。
「このままじゃ基地周辺に被害が拡大するぞ」
下手すれば住民感情が悪化しかねない事態だ。
(おや?)
私の斜め後ろに例の少女が居た。
「……」
吹き付ける爆風や細かい破片をを受けながらも平然としている。
一計を案じた私は、とっさに言った。
「君! ……止めさせてくれ」
「……」
女の子は大きな瞳で私を見上げると直ぐに敬礼して何かを呟いた。ほどなく砲撃がやんだ。周りには立ち上る白や黒の煙に包まれている。
弓ヶ浜は、ようやく静寂を取り戻した。
「やれやれ……」
防空壕の乗客たちもホッとした表情で再び顔を出した。そして安堵のため息が上がる。
敵だけでなく着任早々に艦娘から手荒な挨拶を受けたような気持ちになった。恐らくは美保鎮守府だと思うが……どんな艦娘が居るのか?
私は肩をすくめた。よく分からないが先が思いやられる。
以下魔除け
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