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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#26
FUTURE’S MEMORYU〜Darkness Hell Crowd〜
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ばッ!)
 律儀に相手に付き合う必要もないだろう、
本質が解らなければ己の領域で勝負すれば良い、
(そびえ) る両翼を羽撃かせ、人間の射程圏内から脱すると同時に
一方的に攻撃を加える事の出来る天上へと飛び立つ、が。
 ガグンッ!
 背面を劈く違和感、(とどこお) った飛翔エネルギーが分散したため顎部(がくぶ)にまで衝撃が走る。
 これまで存在を意に介さなかった自身の重力、
それが今まさに全身の自由を奪う縛鎖となって
イルヤンカに襲いかかった。
「な……!?」
 幾度目か解らなくなった驚愕と共に、
巨竜は己が両翼に巻き付く存在に眼を瞠った。
 ソレは、翼の付け根に巻き付いた紫の荊、
先刻老人が使った能力(チカラ)に酷似しているが、
大きさは現物と寓話ほどに違う。
 その存在感、躍動力共に人型の状態で引き千切ったモノとは比較にならず
“甲鉄竜” 足る自分の膂 力(りょりょく)を完璧に抑え込んでいる。
 だが、どうして術の発動に気がつかなかった?
そのような素振り、襲来音などが有れば見破っていた筈。
 しかし巨体を大地に縛り付けるこの荊は、
何の脈絡もなく一瞬で出現したとしか想えない。
「へっへっへ」
 五階建てのビル屋上、スチール製のポールに悠然と立つ男が
健康的な歯を剥き出して少年のような笑みを浮かべていた。
「まぁ〜たまた、ヤらせていただきましたァン!」
 マフラーを戦風に揺らし両腕を組んだ状態で
若きジョセフはイルヤンカを見据える。
「アンタ? このオレに同じ手が二度通用するって想ったのか?
確かに威力は恐ろしいが直撃(あた)らなきゃあどうってこたぁねぇ。
蜂とか蚊ってのは、叩き潰そうと無理に追い回すと逆に後ろから刺されるんだぜ」
「うぬ、おおおぉぉぉ!」
 片目を閉じてそう告げる男を後目にイルヤンカは両翼を蠢かすが、
どういうわけか軋むだけで巻き付いた荊は更に食い込む。
 その不可思議なる光景の解答(こたえ)
屈辱に身を震わすイルヤンカの双眸へと突き付けられる。
「オレのスタンドの幻 像(ヴィジョン)は、視ての通り無数の荊。
だが植物ってのはどんなもんでも “種子(タネ)” から生まれる。
ジャングルのバカデケェ樹だろうが道端の雑草だろうがよ。
オレは先刻のあの瞬間、アンタの周囲を飛び回りながら
このスタンドの “種子” をバラ撒いてたのさ。
辺りに瓦礫が飛んでたしあんまり小せぇから気づかなかっただろ?
ちなみにオレのスタンドは 「射程」 が長いから
手元を離れても自由に操作が出来る。
その分パワーを喰うからジジイの時は使えねーケドよ」
 言いながら翳す両手、そこから放出される深紫のスタンドパワーに連動して
幻像の荊は巨竜の両翼を更に引き絞っ
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