暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
IFエンド 「アリサ・バニングス」
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思いつつあたしは、ショウの腕に自分の腕を絡ませながら彼を引く形で歩き始める。
 手を繋ぐ形でも良いと言えば良いんだけど、個人的には腕を組む方があたしは好きだ。世間で言うところのお嬢様的な教育を受けたり、これまでにパーティーに何度も参加したことがあるので手を繋ぐことよりも腕を組むことの方が抵抗がないだけかもしれないけど。

「……やれやれ」
「どうかしたの?」
「いや別に……今日はやけに人の目がこっちに集まってるな、と思っただけさ」

 周囲を一瞥してみると確かにこちらをチラ見する人間は何人も確認できた。まあその中にはあたしが視線を向けたからそれに反応した人も居るでしょうけど。

「別にガン飛ばしてる人はいないようだし気にしないでいいんじゃない」
「まあそうなんだがな……」
「何よ、言いたいことがあるならはっきりしなさいよね」
「言えって言うなら言うが……あまり見られるのは気分として良くない。大分温かくなってきたからお前も肌を出してるし」

 その言葉にあたしの思考はわずかな時間だけど停止する。
 今の言葉の解釈は……目立つのが嫌ってのもある可能性はあるけど、それ以上にあたしが他の男に見られたくないってことで良いのよね?
 束縛どころか嫉妬すらしなさそうに見え、また口数が多いわけでもない奴なだけに今の発言はなかなかの破壊力だ。そう感じるのはあたしくらいかもしれないけど、正直他人の場合なんてどうでもいい。重要なのはあたしがどう感じたかってことなんだから。

「た、確かに前に会った時よりは薄着だけど別におかしくないでしょ。というか、あたしの彼氏ならそんなこと気にせずに堂々としてなさいよね!」

 なんて言ったけど、顔に感じる熱からしてあたしの顔は赤くなってるはず。それに今の声をあたしを知っている人に聞かれてたら嬉しそうだとか言われてただろう。
 つまり……ただでさえ人の感情の変化に敏感があるところがあるこいつには、あたしの内心がバレバレのはずだ。そもそも、顔は背けてるものの腕を組むのやめてないのだから怒ってないのはバレる……

「そうだな。お前と付き合う時点で予想出来てた状況でもあるし」
「そういう風に言われると……何か癪に障る者があるわね。厄介事に巻き込む女みたいな意味で」
「アリサは綺麗だから人の目を惹くのは仕方がないって解釈にしてくれ」

 ――き、綺麗って……さらりと何言ってんのよバカ!
 べべ別に嬉しくないんだからね。綺麗とか美人だとか今までに何度も言われてきてるんだから。ただ綺麗って言われただけでデレデレする女とか思わないでよ。
 というか、何であんたはさらりとそんなセリフが吐けるわけ? 前々から時々そういうことを言うのは知ってたけど、ここぞってタイミングで言うのやめてほしいんだけど。嫌ってわけ
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