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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―ティアドロップ―
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「融合召喚! 《サイバー・ブレイダー》!」

 二種類のモンスターが時空の穴に吸い込まれ、そこから銀盤の女王《サイバー・ブレイダー》が融合召喚される。そのモンスターを扱うのは、当然ながら天上院明日香という名のデュエリスト。気丈に立つ彼女の傍らに、フィールドを滑走する《サイバー・ブレイダー》がピタリと付いた。

「助太刀はありがたいが天上院くん! 他の場所は大丈夫なのか?」

 デュエルアカデミアのステージ入口。明日香と同じように、《おジャマ・キング》をフィールドに召喚している万丈目が、助けに来てくれた明日香に礼を言いながらもよそを心配する。ダークネスの軍勢と戦っているのは、なにもこの万丈目が戦っている場所だけではないのだから。

「大丈夫よ。あの二人がいるから」

「あの二人……?」

 明日香が言う『あの二人』というのを万丈目は一瞬だけ考えていたが、彼女がそこまで全幅の信頼を置く人物は多くない。それもコンビというのならば、それが指している人物たちは――

「……なら貴様等は、ここで大人しくしていてもらおうか!」

 明日香にそこまで言わしめる二人を、万丈目は少し羨ましく思いながら、対戦相手の方へと向き直った。ミスターTと呼ばれるダークネスの尖兵の、その大軍とデュエルをしていた万丈目だったが――すでにデュエルは終わっていた。

『いやー、すいませんねー。おジャマしちゃって』

 ミスターTのフィールドには、いずれも《おジャマトリオ》による三体のおジャマトークンが居座っており、残る二種類のモンスターカードゾーンは、《おジャマ・キング》の効果によって封じられている。

「《サイバー・ブレイダー》、第三の効果。パ・ド・カドル。相手モンスターが三体の時、全てのカード効果を無効にするわ」

 それだけでは、ただモンスターカードゾーンを使用不能にしたにすぎないが、そこに明日香の《サイバー・ブレイダー》の効果が発動する。三体の《おジャマトリオ》が存在する限り、ミスターTはあらゆるカードの効果の発動を無効にされるが、カードの発動が出来なければ《おジャマトリオ》の排除は不可能。自爆特攻をしようにも、《おジャマ・キング》も《サイバー・ブレイダー》も守備表示のため、ダメージを受けるのみで《おジャマトリオ》は破壊されない。

「あとは……頼んだわよ……」

 ここにはいない『彼』のことを案じながら、明日香は祈りを込めて呟いた。

 ――藤原優介、という人物を知る者は少ない……いや、この世界にはいなかったと言っていい。過去のトラウマから、自らダークネスと尖兵になった彼は、世界から自らという存在を消し去ったのだ。

「やあ藤原。久しぶりじゃないか」

 しかしアカデミアには、彼の存在を知る者がいた。かつてアカデミアで競
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