―ティアドロップ―
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ンを終了した吹雪の隣に、ヨロヨロと亮が並び立った。先のターンに《No.92 偽骸神龍 Heart−eartH Dragon》に受けたダメージは深刻な様子だったが、亮の目に諦めの色は映っていない。
「……諦める? まさか、面白くなってきたところじゃないか」
「……そうだな。その通りだ」
「ふん……俺のターン、ドロー!」
二人で自らに立ち向かう亮と吹雪を、感情が読み取れない様子で藤原は笑い、ターンプレイヤーの移行によってカードをドローする。
「俺は《ナンバーズ・エヴァイユ》を発動! エクストラデッキのナンバーズと名のついたモンスターをエクシーズ素材として、そのナンバーズの数字の合計のついたナンバーズをエクシーズ召喚する!」
そして藤原が発動したのは、このデュエルを終局に導く一枚の魔法カード。エクストラデッキの二体のナンバーズをエクシーズ素材に、最後のナンバーズをエクシーズ召喚する。
「《No.11 ビッグ・アイ》と《No.24 竜血鬼ドラギュラス》でオーバーレイ! エクシーズ召喚ッ! 《No.35 ラベノス・タランチュラ》ァッ!」
蜘蛛を模した巨大なナンバーズ――《No.35 ラベノス・タランチュラ》。それこそが藤原の手に残された最後のナンバーズであり、このエクシーズ召喚によってデュエルは終わる。
「…………」
藤原のフィールドには《No.35 ラベノス・タランチュラ》のみで、ライフポイントは53500ポイント。
対する亮と吹雪のフィールドは、効果を一度使用した吹雪の《ダークエンド・ドラゴン》に、《DNA改造手術》に《サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジー》、吹雪と亮のリバースカードがそれぞれ一枚、ライフポイントは1400。
「《No.35 ラベノス・タランチュラ》は、お互いのライフポイントの差分、その攻撃力をアップさせる! よってその攻撃力は、52100ポイント!」
「もう驚きも薄まってきたよ……!」
《神秘の中華鍋》でライフポイントを回復したのは、ただ吹雪からの攻撃に耐えるためではなく。お互いのライフポイントの差分により攻撃力が決定する、という効果を持つナンバーズ《No.35 ラベノス・タランチュラ》のためでもあった。
「その軽口、すぐ利けなくしてやる……! 魔法カード《大嵐》を発動!」
「――!?」
《No.35 ラベノス・タランチュラ》の圧倒的な攻撃力の前に、もはや風前の灯火だった亮と吹雪のライフポイントは吹けば飛ぶようなもの。ただしフィールドに伏せられた二枚のリバースカードと、亮の二枚の永続罠――必ずあれ等のどれかに逆転の一打を秘めている、と読んだ藤原は、温存していた《大嵐》をここで打つ。
「かかったね」
「……なに?
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