狂犬には紅い瞳を。
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
しいですねぇ。」
軽空母・千歳。着任当初は水上機母艦だったが度重なる改装を受けて軽空母へと艦種を変更。実力もさることながら、隼鷹や足柄等と毎晩呑み明かす『チーム呑兵衛』の一員として有名だ。
「えへへー、提督さんにカクテル作ってもらった 〜。」
少し酔って来たのか、とろんとした表情で千歳にそう報告した夕立。
「あら美味しそう。夕立ちゃん、一口貰える?」
「良いよ〜♪はい。」
千歳は夕立からジョッキを受け取ると、ゴクリと一口。
「あら?『レッド・アイ』なんて、提督も中々洒落の効いた事をしますね。」
「あっ!さっきこのカクテルが夕立にピッタリだ、って言ったのって……」
そう、ビールをトマトジュースで割ったこのカクテルの名前はレッドアイ。紅い瞳をギラつかせ、戦場を駆ける夕立にはピッタリだろう。
「本来はタンブラーで作るモンだがな。残すのも勿体無いんで、緊急処置だ。」
「うふふ、提督らしい。……じゃあ、私はレッドバード頂けます?」
了解、と請け負って俺は準備に取りかかる。タンブラーグラスに氷を入れ、そこにまずはウォッカ。チョイスしたのはスカイシトラスのレモン。アメリカのメーカーのウォッカで、オレンジやレモン、ライムといったシトラス(柑橘類)のフレーバーをプラスした口当たり爽やかな奴だ。そこに倍のトマトジュース。これでもうカクテル『ブラッディ・メアリー』になっているのだが、ここに更にトマトジュースと同量のビールを加えて軽くステア。
「お待ち。レッドバードだ。」
「いただきます。」
黒タイツに包まれた脚を組み、軽くグラスを傾ける。…なんだろう、そこはかとない色気を感じるのは俺だけか。
「ふぅ、やっぱり提督の作るカクテルは美味しいですね。」
「そうか?ありがとよ。」
その後も俺達3人はささやかながらも祝勝会を続けた。そして最後に、酔い潰れた夕立を部屋まで曳航していったら、他の白露型の娘達に白い目で見られたのはまた別の話。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ