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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
8話『赤熱の不死鳥(フェニックス)』
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いつ、もしかして雪片を受け止められるのは右手だけなのか?)

 今はムラマサブラスターを持っている左腕は先ほどから使っていない。防御に優れているであろう腕を使わない理由は……少なくとも今は考えられない。

(試してみるか?)

 勝算があるかは分からない賭けだが、賭ける価値はあると判断する。だが、

『防御データ収集完了、攻撃ニ以降スル』

「「っ!?」」

 直感的にその場から逃げる一夏と鈴だが、直後にそれは正しかったと判断する。アリーナの地面が閃光と共に溶解していた。シャッフルガンダムの持つムラマサブラスターが無数のビームの刃を持って、

「マズいっ!」

 瞬時加速。一夏が先ほどから使っていた技能を使ってシャッフルガンダムも突撃してくる。

「嘘っ!?」

「何の冗談だよ、これは!?」

 瞬時加速の連続使用で二人を狙って休み無い高速での突撃を開始している。それはパイロットが乗っていたとしたら、確実に装甲の中で意識を失って……いや、最悪の場合死亡している危険がある動きとしか言えない。

「一夏ぁ!」

「しまっ!」

 回避の限界が訪れたのは技量の差からか、一夏の方だった。視界一杯に存在するのはムラマサブラスターを振り上げたシャッフルガンダムの姿。無慈悲に無数のビームの刃を展開したそれが振り下ろされそうになる瞬間、

「騎士ガンダム直伝……彗星剣!」

 上空から現れた真紅の影の斬撃がシャッフルガンダムを弾き飛ばす。

「二人とも、無事か?」

「五峰?」

「四季なのか?」

 シャッフルガンダムを弾き飛ばした赤い影……ウイングガンダムゼロ炎から聞こえてくる声に呆けた様子で聞き返す。

「ああ。二人の救援に来た」

 真紅の双大剣を構え四季はそう宣言した。
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