第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#25
FUTURE’S MEMORY〜PHANTOM BLOOD NIGTMAREXIII〜
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如何にあの竜 といえど一溜まりもあるまい。
その時になって泣いてももう遅いぞぉ〜、クックック」
正に虎の威を借る狐。
一度視せてもらった(封絶の中で顕威も百分の一以下に抑えた)
アラストールの 『真の姿』 を想えば無理もないが、
その為に幾つかの 「制約」 が付く事を彼は忘れている。
ともあれ若き頃を彷彿とさせるような小癪極まる表情。
元より上から目線の者を策に嵌め、
その困惑しまくった表情を見下ろすのが彼は大好きなのであった。
そうやって小さくなりながらほくそ笑む、
シャナやヴィルヘルミナが見たら幻滅するような
老戦士の背中をナニカが押す。
「あぁ〜、もううるさいのぉ〜。
いま取り込み中じゃ。要件なら秘書を通して」
そう言って振り向いた先、眼球のない巨大な漆黒の瞳が映すのではなく
呑み込むように、轟然と見据えていた。
「何をしている? キサマ?」
臓腑を最深から掻き回すような、身体中の冷や汗を搾り取る声。
先刻まで背中を押していたのは、鋼鉄の鱗で覆われた巨竜の鼻先その一部であった。
「イ、イヤァ〜、孫にちょっとメールを、の……
最近のケータイはリアルで写真も送れるというからその、記念に、
あ、何なら二人並んで撮」
「巫山戯るなぁッッ!! 貴様ァァァッッッッ!!!!」
「HOLY!! SHIT!!」
とっさに波紋でガードしていなければ、鼓膜が破れていた巨竜の恫喝。
即座にハーミットを上空に伸ばし、ビル屋上の柵に巻き付けて遁走を図る。
後はそのまま、象と蟻の追走劇。
静止したシンガポールの街並みを砂城のようにブチ砕きながら、
巨竜が老人を猛襲する。
『GUUUUUUUUUUUUUUUUUUUGAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAA――――――――――!!!!!!!!!!』
真の姿を晒して以来類を見ない、余りにレベルの低い戦いに憤激したのか
巨竜はその頭部を高々と擡げ力任せに敲き付ける。
途端、大地が地下を突き抜け岩盤ごと陥没しその反動と余波と衝撃波、
三つの力場が絡み合って放散し全方位を劈いた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――
―――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!」
風の前の塵に同じ、その放散に巻き込まれたジョセフは
ただその身を翻弄され、大きく跳ね上がった後
アスファルトに背部を強打する。
「う、うおおおおおおおおお!!
こ、腰が! 腰がッッ!!
ま、マズイ!! 完全にヤっちまったかもしれん!!」
鍛えているとはいえ老齢の躯にはイケないダメージだっ
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