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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
6話『転校生』
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「……中学二年、か」
家族になど戻る気は無いが、今更ながら一夏もまた四季の知らない日々を過ごしてきたのだと思う。当然、四季の知らない人間関係も有ったりするだろうが……。
「……我が兄ながら、妙な事になってないと良いけどな……」
血の繋がりのある家族でありながら一緒に過ごした時間は驚くほど少ない……が、これだけは言える。『好きです』と告白されて『オレも好きだぞ、友達として』と真顔で返すタイプだと。
はっきり言って、それこそが四季が何千回戦っても一夏に負けないと断言する理由でもある。
「……ああそうだ……。お前の為なら何にでもなってやる」
それが彼女の望みならば、幾らでも力になる。逃げたいと言うのなら何処までだって手を引いて連れて行ってやる。と。正しさも過ちも関係なく、それが彼女の望みならば己の全てを持って叶えると決めた。
「っ!?」
そんな事を考えていた後、誰かの気配に気が付いて後ろを振り向くと、懐に入れている鉄心入りのボールペンを手に取る。棒手裏剣の代わりの武器なのだが、流石に四季の腕では棒手裏剣自体命中率は良くなく、近接戦用の武器である。
「……気のせいか?」
誰かが居た気配は消えている。……いや、寧ろ先ほどまで不自然にあった気配の空白が消えていると言うべきだろうか?
「……」
手口から考えて千冬では無いだろうが、それを不審に思いながらボールペンを懐に戻し再び紅茶に口を付ける。
「ふーん、あれが五峰四季君か。うふふ、お姉さん、ちょっと興味湧いちゃったわ」
IS学園の制服に身を包んだ上級生らしい、ショートカットの青い髪の女性の持つ扇子には『興味津々』と書かれていた。
「なあ、四季、聞いてくれよ」
翌日……教室に入った四季に一夏が話しかけてきた。何でも放課後に一夏の部屋に行った鈴は、一夏に約束を覚えているか聞いたそうだ。その結果、内容を覚えていた一夏を叩いたそうだが……。
「一兄……。これだけは行っておこう。お前が悪い」
「同感だね、一夏兄さんが悪いよ」
何時の間にか居た秋八が四季の言葉に同意する。
「一兄、それって……『酢豚を毎日作ってあげる』とでも言われたんじゃないのか? 正確には」
「ああ、そう言われればそうだった様な……。でもそれって、料理の腕が上がったら、毎日酢豚をおごってくれるって奴だろ?」
いい笑顔で宣言してくれる一夏。それには流石に険悪なはずの四季と秋八でさえ顔を見合わせて、
「「はぁ」」
仲良く溜息を吐くのだった。一夏に対する意見の一致と言う一点に於いては気が有っていたりする。
半ばプロポーズに近い言葉だったのだが、どうやら目の前
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