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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
6話『転校生』
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用機を……)
『破壊して』。四季や一緒に通信を聞いていた詩乃の背筋が寒くなる様な表情で告げられた束からの依頼。笑顔だったが、逆にその時の二人にはその笑顔が逆に恐ろしかった……。憎悪を初めとする様々な負の感情が混ざり合ったどす黒い物が笑顔と言う仮面に隠れている……。思わず、その時の事を思い出す。
昨夜の社員寮の一室……
「VTシステムの破壊、か」
思わず束からの依頼に好戦的な笑みを浮かべる。……過去のデータとは言え織斑千冬の領域に居る者を倒せればそれだけ、四季にとっての目的……完全な決別を千冬の敗北と共に叩き付ける事に近づけるのだから。なにより、これは束からの依頼だ。受けない理由など無い。
『……いや……』
「詩乃?」
隣に居る彼女から震える様な声が聞こえてきた。それには覚えが有る。同時に何故とも思う。……“それ”の原因になる物など無いはずなのに。そう考えながら彼女を落ち着かせる様に抱きしめる。
「って、それか」
テレビへと視線を向けると、テレビの画面にはISの試合の映像が映っていた。
「…………あー」
単なるスポーツニュースなのだが、ISが広まってからこう言う物が増える傾向にある。……各国の思惑としてはISと言う『兵器』を扱える人間を多く集め、同時に戦争に向けての訓練も『スポーツ』と言う手段で実戦訓練も行なえる。
クリスマスの一件でデジモンやエルガのモンスターに対応できたのが価値を高めてしまったのだろうが……。
(……そんなに綺麗な世界じゃないだろう……)
一見華々しい世界だが、その裏側はどんな闇が潜んでいるのかは想像もできない。……想像したくないと言うべきだろうか。現にVTシステムやナノマシンによる強化もその闇の一端と言えるだろう。
だからこそ、腕の中に居る少女や、仲間達を関わらせたくは無い。最悪、自分達に関わりが無ければ放置していても構わないとも思っていた。
『好奇心は猫を殺す』と言う訳ではないが、下手な正義感で己だけでなく周りまで犠牲にしてしまったら、後悔しても仕切れないだろうと考えていたのだから。
半ば現実逃避の様にそんな事を考えながら、己の迂闊さを呪いながら彼女が落ち着くまでの二時間の間抱きしめ続けた。
現在……IS学園
昨日の事……主に束からの依頼から始まる詩乃の発作の事について思い出していると、件の転校生が中国からの留学生で有る事が分かった。このクラスでは無いらしいし、束からの依頼とは関係ない相手なので対して気にする必要は無いだろうと判断する。
「それにしても今の時期に転校生って珍しいよな」
「いや、一兄。さっきも言ったけど代表候補生なら有り得るって」
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