『Unusual』
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苦しくて悲しい。
いつでも傍に在ったものを失う辛さに耐えきれない。
なんでもできるチカラが在れば守れたのに。
守りたかったのに...。
僕等の思い出達は消えない。
海と空がひとつに見える絶景スポット。
瀬戸内の水面に映える輝かしいオレンジ。
ナナハンの後ろで風に乗って浴びた潮の香り。
かけがえのない僕等の全部。
記憶は永遠に在る。
たとえ手と手を繋ぎ合えなくても。
此の手が全部を手放さない。
遠まわりばっかりだった僕を、生き急いでばっかりだった僕を、君は包んでくれた。
道標になってくれたんだ。
此の手から、記憶から、心から、融けて消えゆくなんて考えたくもない。
全部全部、大切過ぎて欠片さえも失いたくない。
日々反芻する過去への旅は一生終わらない。
此の異常な執着が、僕の異常な感情を引き起こすと解ってても...。
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