第1章
旧校舎のディアボロス
第9話 友達、できました!
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下に出る。
「あ、あのぉ、着替えました」
しばらくして、シスターがそう言ってきた。
その言葉を聞き、俺はリビングに入る。
シスターは斬られたシスター服じゃなく、姉貴の服を着ていた。サイズが大きいのか、少しダボダボだったが。
「ひとつ訊くぞ。おまえ、あいつらのもとに戻る気はあるか?」
「えっ!?」
俺の問いかけに、シスターは一瞬驚くが、すぐに首を横に振る。
「・・・・・・私、あのように平気で人を殺すような場所にはいたくはありません・・・・・・!」
「なら、ここにいろ」
「えっ?」
「不自由を強いるかもしれないが、我慢してくれ」
俺は雷刃を鞘から少しだけ抜き、刀身の状態を確かめ、刀身を戻す。
そして、その場から去ろうとすると、シスターが声をかけてきた。
「あっ、あのっ、ど、どこへ!?」
「あいつらの目をここから逸らしてくる」
「き、危険です! どうして、今日初めて会った私なんかのために!?」
悲痛な表情でシスターは言う。
確かに、俺たちはお互い、今日初めて会った間柄だ。
それでも、俺にはシスターを助ける理由があった。
「イッセーに頼まれたからな」
「えっ?」
転移する前に、イッセーは俺に何かを言いかけていた。おそらく、俺にシスターを助けてほしい、と言うつもりだったんだろう。だが、俺の身を案じて、直前で頼めなかったってところだろう。
だから、俺はあえて部長たちから先にあの場から去ってもらった。じゃないと、シスターを助けるときに、色々と面倒になっていただろうからな。
これだけでも、俺にとっては十分な理由だった。
ま、ほっとけなかったってのもあるがな。
「あ、あなたは一体・・・・・・?」
「ただのあいつのダチだ。それ以上でも、それ以下でもねえよ。いいか? 絶対にここから動くなよ」
俺はシスターにそう言い聞かせ、外に出ようとすると──。
「あっ、あのっ!」
「ん?」
「まだ・・・・・・あなたのお名前を聞いていません・・・・・・?」
あぁ、自己紹介をする余裕なんてなかったからな。
「明日夏。士騎明日夏だ。明日夏でいい」
「士騎? もしかして!」
「ああ。千秋は俺の妹だ」
「そうだったんですか。あっ、私はアーシア・アルジェントと申します。私もアーシアで構いません」
「そうか。なら、アーシア。何回も言うが、絶対にここから動くなよ」
「はい。明日夏さんもお気をつけて」
「ああ」
俺は笑顔で答え、ここに向かってくるであろう者たちのもとへ向かう。
―○●○―
「見つけたぞ!」
家から大分離れた場所にやってきた俺の目の前には、さっきの堕天使たちがいた。
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