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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#24
METEOR STORMV 〜Another Heaven〜
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反撃の右裸拳が脇腹に突き刺さる、
剥き出しの白膝(はくたい)が下顎を跳ね上げた、返しの靴裏が後ろ廻しで胸部に炸裂する。
 最早スタンド戦とも討滅戦とも異なる、熱き乙女のブツかり合い。
 身体能力では無論フレイムヘイズであるヴィルヘルミナが勝るが、
アイリスはスタンドの操作練度と持続時間でソレに拮抗する。
 両者一進一退、純血繁吹き白肌罅入るほどのダメージで有ったが
ソレでも殺戮の舞いは無尽に加速する。
 軸足が大理石の床をドリルのように削って放たれた廻し蹴りが
熱い空圧と共に弾けた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ふぅ、ふぅ、ふぅぅ」
 再び間合いを取り、乱れた呼気を整える、
その間に相手が飛び掛かってくる警戒は怠らず。
 打撲傷と擦過傷、その他創傷裂傷と数え切れないほど刻まれ、
纏った衣服も大分綻びてきたが裡から湧き出る戦意は留まる事を知らなかった。
 骨という骨がバラバラに砕かれ、臓腑という臓腑がグシャグシャに潰され、
その亡骸が葬られた後も、棺の中から這いずり出して闘う事が出来そうだった。
 それほどに、ソレほどまでに、人間の破壊本能というモノは怖ろしい、
自らの種を滅ぼし、最愛の者を手に掛けてもまだ足らぬと云う程に。
 話を戻そう、互角と想われた乙女の攻防だったが、
この時点で一方が優勢と成っている。
 歴戦の経験、勝負の駆け引き、身体的な総力ではヴィルヘルミナに軍配が上がるが、
しかし一瞬の気の緩みが即死に繋がる戦いの中では、薄氷の有位と断じざる負えない。
 先刻までの攻防は全て距離を置いての打撃戦、
凄まじいモノでは有ったが両者共に一度も
「組み技」 は使っていない。
 コレは、互いにその優劣を理解した上で意図的に行ったコト。
 無論ヴィルヘルミナにその心得が無いワケではない。
(寧ろその美貌故に必須の備えとも言える)
しかし彼女、アイリスには地球外から自在に隕石を堕とすコトの出来るスタンド、
『プラネット・ウェイブス』 があるのだ。
 通常の落下でも動き回っていなければ躱すのは危ういのに、
膠着状態でほぼ横の動きが無くなる
組 み 技(グラップリング)」 の攻防となれば、
勝敗は火を見るより明らかである。
『プラネット・ウェイブス』 が神の門より召喚する火球は、
「本体」 である彼女には決して当たらないのだから。
「……」
 不敵な笑みを浮かべる少女は当然この事を理解している、
先刻までの打撃攻防は相手の眼を慣らさないため、
プラス若さ故の遊興(あそび)といった所だろう。  
「……」
 類焼する残り火とは別に、差し迫る脅威がジリジリと心中を焦がす。
 相手の挙動から一時でも眼を離せないため、
額に浮かんだ雫が流れ落ちるのをヴィルヘルミナは気づかなかった
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