暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第四章 タルブでの戦い
青き少女の因縁
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のだった。
ジョゼフが王になってからは、王家の者たちはタバサの命を狙った。恐らく、遺恨を絶つためだろう。
晩餐会に招待したタバサに彼らは毒の入った飲み物を差し出した。毒は飲んだ者の心を狂わせる水魔法。
タバサが飲もうとした瞬間、罠に気付いた母が身代わりとなり毒を飲んだ。
以来母は、精神が侵されてしまっているという。
「(まさか、この子がこんな運命を背負っているなんてね・・・)」
「母様・・・母様・・・!それを飲んじゃ・・・ダメ・・・!!」
気が付くと、タバサはうなされていた。何かを引き留めようと必死に手を伸ばしている。
この子は自分を、自分の家族をひどい目に遭わせた連中をどう思っているのだろうか。
憎いのかもしれない。もしかしたら、いつか復讐の道へと走り出してしまうかもしれない。そして、それを止める権利は自分にはないだろう。
「(もしそうだったとしても―――)」
キュルケはタバサの横に寝そべり、その小さな体をギュッと抱きしめた。
―――傍にいよう。
どのようなことがあっても、せめてこの子が独りにならないように。
キュルケの腕の中にいるタバサは、少し安堵した表情になっている気がした。
―――――――――
ある日、本家からの任務を終えて家に戻るとやはり“彼”が待っていた。
いつものように治療と軽い雑談を交わす。その頃には、私は自分でも分かるくらい“彼”に心を許していた。
普段ならこれで“彼”は帰るのだが今日は違った。
『今日はこれからお城の方まで同行してもらいます。』
聞いた途端物凄く不快感を露わにした。まさかあんな所に行くなんて。この間倒した凶暴なドラゴンともう一度戦ってこいと言われた方が何十倍もマシだと思った。
無表情なのは自覚しているが、それでも顔に出てしまったのだろう。“彼”は困ったように笑った。
『すみません。ただ、貴女の叔父上から話があると・・・』
ホントは凄く嫌だった。でも私が行くのを断ったら“彼”にも迷惑がかかる。散々渋ったが、結局私は“彼”についていくことにした。
これから地獄を見ることになるとも知らずに―――
『待っていたぞ、シャルロット。』
久しぶりに――出来れば二度と見たくない――叔父の顔。挨拶もせずに不満の顔を見せるがあいつは動じない。
『そう嫌悪するな。ここは王家の連中でもごく一部の人間しか知らん。お前にも、一度見せてやりたかったのだよ。』
案内されたのは地下にある工房のような場所だった。階段の下は広い構造になっているようだが、薄暗い所為で見下ろしても良く見えない。ジメジメとしているし、更に入り口付近に刻まれてい
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