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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二十一話 ホテルアグスタ 1
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でも、今のアタシには、ライトニングは…いや、アスカに何か異質な物を感じている。
何で、なんでアイツは自分の手柄を簡単に捨てる事ができるの?
出発前に、対AMFの功績を本局技術部に横取りされたのが分かったのに、アスカはその事について
拘
(
こだわ
)
りを見せなかった。
確かにちょっとは頭にきたみたいだけど、でもそれで終わりだった。
表面上だけ?いや、違う。
本当に拘りが無いんだ。
信じられない。
対AMFは、ガジェット攻略の切り札になり得る発明だ。
それだけで、昇進できるかもしれない発明の筈だ。
アスカは……アイツはそれをあっさり捨てた。捨てる事ができた。
アタシならどうだろう?
横取りなんか許せないし、それを本局技術部がやったなんて情けない事だ。断固抗議するだろう。
何で?なんでアンタはそんな事ができるの?
今回その発明を捨てても、別の機会で挽回できるから?
アンタにとって、対AMFはそんなに軽い物なの?
いくら考えても答えは出ない。
アンタにとって大事な物って何?出世欲が無いのは分かる。でも…
ダメだ、分からない。
結局、アタシだけが凡人って事?アンタも、結局は天才って事なの?
だからアンタの考えが分からないの?
「気持ち悪い」
アスカの不気味な物を感じたアタシは、思わず口に出してしまった。
「大丈夫、ティア?気分悪いの?」
小声のつもりだったけど、隣にいるスバルに聞こえてしまったらしい。
心配そうな顔をしてアタシを見ている。
「…ちょっとだけね。でも、大丈夫だから」
いつもそうだった。
アタシが何か不安になってると、スバルはいつも心配そうに声をかけてきていた。
何かしてくれる訳じゃないけど、それだけでなぜか安心しているアタシがいる。
アタシが微笑んで答えると、スバルもニパッと笑った。
「うん、ティアがそう言うなら大丈夫だよね!」
その笑顔を見て、アタシは思ったより身体に力が入っている事に気づいた。
ふう、と息を吐いて力を抜く。
うん、アタシにはスバルがいる。この子はいつもアタシを助けてくれる。いつか、アタシもスバルを助ける事ができるのかな…
そんな事を考えていたら…
「うお!なんだこりゃ!こんな料理がでるのか!?って、これ本当に食いもんか?」
「すっごく美味しそうに見えますけど」
「あ、可愛いケーキ」「くきゅ〜」
向かいから緊張感の無い会話が聞こえて来て、ズルズルとベンチからズリ落ちてしまった。
「アンタ達!ホテル周辺の地形を調べていたんじゃないの!」
思わず突っ込んでしまった。この突っ込み体質をなんとかしたい(ーー;)
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