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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第六十七話 体調が悪くても無理をしなくちゃいけない時もあるのです。
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にでるように指令した。既に混乱から立ち直った中央本隊は息を吹き返して攻撃を始めた。

前面に展開するバイエルン候エーバルト艦隊は混乱の中で光球を明滅させながら次々と爆発四散していく。挟撃体制は成功したようだとレインもアリシアも思っていたが、その様子を見守っていたラインハルトの顔色がわずかに引き締まった。
同時に、
「敵艦隊、此方に突撃してきます!!」
というオペレーターの悲鳴ともいえる声が上がった。艦橋は動揺に包まれた。ビッテンフェルト、ロイエンタール、ミッターマイヤー、メックリンガー、アイゼナッハらを派遣したラインハルト艦隊は半減している。わずか7000隻強の本隊に数万隻の艦隊が殺到してきたのだった。敵はラインハルト艦隊が手薄になった隙を逃さず、突破を図ろうとして来たのである。
だが、ラインハルト艦隊から見て左側はメルカッツ艦隊が圧迫し、右側はメックリンガー、アイゼナッハ、そしてロイエンタール、ミッターマイヤーが抑えているので、敵軍としてはやや細長の陣形にならざるを得なかった。
「敵の先頭集団に、砲火を集中させよ!」
ラインハルトが右手を振り下ろした。ビーム砲が集束の束となって敵を撃ち続けるが、敵は数と勢いに任せての突撃をかけてきた。敵の反撃は苛烈な炎となり、前衛艦隊は打撃を被って爆散し、統制にひびが入った。その余波はブリュンヒルトの周辺の護衛艦隊にまで及んだ。
「閣下!」
レイン・フェリルが声をかけた。普段冷静沈着な彼女も少しだけ声の琴線が張り詰めている。
「旗艦が包囲されます。ここは後退なさって敵の勢いを殺すことこそが上策かと思います。」
「フロイレイン・レイン。卿は上策と言ったな。つまりは最良の策ではないというのだな。」
この激烈な、そして不利な戦闘の中、ラインハルトは平素と変わらぬ声で応えた。一歩歩みを間違えればすぐに死が隣に来ている状況だというのにである。レイン・フェリルはひそかに感嘆の念を禁じ得なかった。
「はい。この状況下では損害が出ることは既定の事実となります。申し訳ありません。」
「卿が謝る必要はあるまい。こうなる状況下を作り出したのは私だ。その責を取るためにも、私はより最良の策を取ることにする。」
レイン・フェリルはラインハルトの言葉を理解しかねた。今目の前にいるラインハルトには焦慮という要素は一分子もないように見えたのである。
「心配無用だ。焦慮のあまり自ら罠に陥ったのは奴らの方だ。」
ラインハルトがオペレーターを顧みた。
「前方のエネルギー流に主砲と指向性ミサイルを斉射せよ!!」
その言葉の意図するところが形となって表れたのはほんの数秒後の事だった。エネルギー流は巨大な帯となってラインハルト側と敵側の間を川のように流れていたのだが、それにラインハルト側が火をつけたのである。
「渡河」しようと
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