暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第93話 サウスの戦い 終結
[6/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、前にいるミネバを見据えた。

 まだ、油を持っていたのだろうか、或いは 次々に燃え移ったのかはわからないが、ミネバとユーリを分断する様に、いつの間にか炎がゆっくりと広がっていた。

「このまま燃え尽きてくれたら有り難いんだけどねぇ」

 ミネバは 正面からユーリと戦うのは無理だ、と認めていた。

 ミネバとて、プライドがある。腕っぷしの強さだけで、ヘルマン最強とも呼ばれている第3軍の大隊長になったのだから。……だが、場合をしっかりと見定めている。……死ぬかプライドか、となれば迷う事なくプライドくらい捨て去る。
 
「……オレの顔を、忘れるな」

 ユーリは、そんなミネバを鋭い眼光で見据えた。

「へぇ、その可愛い顔でも覚えておいてほしいのかい? ぼーや」

 ミネバは卑しく笑うが、ユーリが動じる事はない。ユーリにとっての禁句の1つだが……それでも。

「……いつか、お前をあの世へと連れていく者の顔だ。……必ず」

 ユーリは、そう言いながら剣を構えた。

「煉獄・斬光閃」

 ユーリの最後の斬撃は、ミネバへと迫るが……、炎で前が包まれ、軈てはミネバ自身が見えなくなった。


「……次は無い。覚えておけ」


 そう呟くと――ユーリは剣を納めたのだった。
 

 相対した男の姿……。

 ユーリが言うまでもなく、ミネバが忘れる事は無かった。その男の背後に、得体のしれない何か(・・)を見た気がしたからだ。

 それが、死である事を、連想させるのに難しくなかった。

「……あたし専用の死神、ってところか。……だが」

 燃え盛る炎を盾に、ミネバは足早に町の外へと駆け抜ける。

「あたしにはやる事がある。……そうそう簡単にはいかないよ。まぁ、さっきも言ったが、あわよくば、この戦争でおっ死ぬ事を願うよ。……幾らアイツであっても、トーマや魔人に敵うとは思わないしね」

 逃げる事は出来ても、勝てるとは思えない。
 それがミネバの現時点での予想だ。

 だが、その予想は外れる事になる。

 それは、この時のミネバには思いもしない事だった。









〜数時間後、サウスの町〜



 ミネバが仕掛けた炎は勢いを増していったが、幸いにもそれが仲間たちを呼びよせる結果となった。
 燃え上がる火の手にいち早く気付いた志津香は、マリアを通じて全体に伝令。町住人の避難に当たっていたかなみとも合流して、鎮火作業に入ったのだ。

 魔法部隊も余力を十分に残している状態だった為、主に氷の魔法を使って消火させた。

 因みに、マリアがなけなしの魔法を、かつて得意としていた水の魔法を放った事で、周囲が驚いたりしたのはまた別の話だ。……科学者が魔法
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ