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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#23
METEOR STORMU 〜Black Matrix〜
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【1】


 彼方より、飛来せし流星群。
 抽象的な表現ではなく 『流れ星そのもの』 が、
分厚い大気の摩擦熱で光を放ち封絶を突き破って降り注ぐ。
 その光景は、戦場にいる全ての者に目撃され、
激戦の苛烈さがいま尚加速している事を認識にするに充分な能力(チカラ)だった。
(見事です、アイリスさん)
(フッ、人間の娘もやるものよ)
(アレが、神父から与えられたというスタンドか。
訓練不足かと想ったが、フフフ、なるほど)
 対する者達の思惑が交差するなか、
「みんな、無事で帰れますように」
少年の無垢な願いが燃え盛る星屑に向けられた。
 その遍く流星の爆心源、
『フラトンシンガポール・SPW』 フロア一階は
地獄と化していた。
 次から次へと、間断なく無造作に襲来する隕石の嵐に、
天井が砕け、鉄骨が歪み、空間は焦熱で捻じ曲がる。
 対峙する標的など無視するかのように、
その射程は屋外のプールやテニスコートにまで及んだ。
 正に、天から舞い降りし災厄。
 人の身で抗いようのない、無慈悲なる光の雨。
 破壊の濁流、炎の海と化したフロアで、
その災厄を呼び起こした張本人だけが傷一つなく佇んでいる。
 傍らで宙に浮く、そのスタンド能力を全開にして
射程圏内全域に流星をバラ撒くのが彼女の操る最大流法(モード)
アース()ウインド()アンド()ファイアー()
 しかもその全能力は、スタンド 『サバイバー』 により
加圧(ブースト)されている。
 突入角度、6・5〜±0・9度の間。
 この数字は、カプセル型の宇宙船が宇宙から
地球の大気圏に戻ってくる時の斜径であり、
護らなければならない絶対の法則。
 この角度以内で大気圏に突入したモノは、
地球の引力に弾き飛ばされるか、
空気の摩擦で跡形もなく燃え尽きる。
 地球を人体の頭部に喩えるなら、
髪の毛一本ほどの狭き回廊、『神の門』
 更に、地球の回転軌道上には無数の岩石や鉱物が漂流しており、
ソレが毎秒平均400の割合で地球に降り注いでいる。
 にも関わらず地上が無事でいられるのは
この 『神の門』 が存在するからであり、
その法則を解析し解き明かしたのは人類の叡智。
 だが。
『岩石自体が』 宇宙艇の 「突入角度」 を護り、
尚かつ充分な硬度と質量を持っていれば、
地球の公転軌道にも拠るだろうが、
『神の門』 で弾かれたり燃え尽きたりせず、
地上に到達し得るモノもあるだろう、カタチを残して。 
 その、隕石の 「突入角度」 を操作して
地上に落下させるのが遠隔操作型スタンド、
『プラネット・ウェイブス』 であり、
その能力を十全且つ精密に操れるのが
スタンド使い、アイリス・ウィンスレ
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