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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#23
METEOR STORMU 〜Black Matrix〜
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私に任せてもらえるかい? 
墓標を立てても、君が一人で守っていくのは大変だろうから」
 静かに、少女は頷いた。
 どれだけ時間をかけても、
一人一人家族と一緒に弔ってあげたかったけど、
でも、もう、誰が誰だか解らない……!
(ごめんね……みんな……)
 誰にも、責める資格などあろう筈がない、
それでも少女は、犠牲になった全ての者に侘びた。
 力の是非は関係ない、変えられない 『運命』 すら意味がない、
ただ、護りたかった、生きてて欲しかった。
幻 想 の 蛇(ホワイト・スネイク)……』 
 先刻とは違う静謐な響きで、黒い天使はその御名を呟いた。
 同時に村全体へ駆け巡る、不可視の能力(チカラ)
 赦されざる者への断罪ではなく、憐れぶべき者達への安らぎとして、
幻想はその亡骸を包み込む。
 やがて、その肉は溶けるのではなく
天へと立ち昇る無数の光となって、
共に棚引き合いながら彼方へと消えていった。
 全てがそうなるべき所に、いつか還る場所に。
「さよなら……みんな……」
“そこが” どんな場所か解らないけれど、
でももし 『天国』 というものが存在するのなら、
どうかいつまでも安らかに。
 アタシは、大丈夫だから。
 何も、心配しなくて、大丈夫だからね。
 途切れる事なく流れる、紅い涙。
 でも少女は、震える輪郭のまま空に向かって笑った。
 悲しくても、苦しくても、それでも無理に眼と口唇を折り曲げた。
 笑顔で、いなきゃ。元気で、いなきゃ。
 これから、みんなの分まで――




“お姉ちゃん”
   



 決して聞こえる事のない、もう二度と聞くことは出来ない声が脳裡に響いた。
 続いて。
“頑張ってね、お姉ちゃん”
 また別の子の声が、確かに聞こえた。
 何かの、幻聴?
 でもそれはすぐさま溢れかえるように、少女の心の中いっぱいに広がっていく。






           「もらったお人形、ずっと大切にするからね」
「お姉ちゃんなら大丈夫!」
                           「明日から羊の世話……」
「みんなで買ったコレ、気に入ってくれるかな?」 「オレがやるっつってんだろ!!」

               「おめでとう、お姉ちゃん」

「寂しいけど、がまんするぞ 」              「すぐ帰ってくるよね……」
       「行っちゃやだよぉ〜」
    「また色々教えてね」                 「泣かないのッ!」
   「笑顔でさよなら、笑顔でさよなら、笑顔でさよなら」
「大好き、お姉ちゃん」          「いってらっしゃい、お姉ちゃん」
 



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