第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#23
METEOR STORMU 〜Black Matrix〜
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でありましょう?」
「うるさいッ!」
ノーモーションで放たれた膝蹴り、
しかし大理石を内部から陥没させる威力が
淑女の白い脚線で防がれる。
弾ける衝撃と熱気、だが二の撃を少女が放つ前に、
その躰は高速で背後に投擲された。
「――ッ!?」
フレイムヘイズ “万条の仕手” が神技、
戦技無双の叛撃。
予備動作は疎か、微かに加えられた力すら感じる事の出来ない完成度。
通常の反撃と違い、相手の攻撃に 「合わせる」 のではなく、
内部の篭った力に 「同調」 し 「解放」 する複雑高等技術。
「あぁ! もうッ!」
全身を縛る重力の魔、それを無理矢理振り解いた少女は苛立たしげに吐き捨て、
ダガガンッ! と壁や天井を足場にし無数の斜角軌道を描いて飛び乗った
クリスタルテーブルを爆砕した。
「なるべく、離れて。
絶対に私や相手、そして水には触れませぬよう。
そして、もし私が正気を逸脱したら……」
「思いっ切り抱き締めても、怒られねぇかな?」
「――バカッ!」
スタンド能力とは別に、頬が赤味を帯びた。
「何がなんでも、正気を失うわけにはいかなくなったのであります」
「それもいいさ、ロマンスはフェアにいかないとな」
「すぐに散り逝く、徒花だと想うのでありますが」
「こりゃ手厳しい」
「妥当」
本当に、不思議な男性。
心をより強固に凍らせるだけだった不毛の戦場で、
何故か今自分は、怒ったり戸惑ったりしている。
とうの昔に無くしてしまった筈の感情が、次々と芽生えてくる。
まるで、何も無くして等いなかったように。
「プラネット・ウェイブスッッ!!」
怒気を含んだ喊声と共に、彼方から4つの火球がこちらに迫っているのが
ガラス越しに見えた。
「 “TANDEM!!” 」
更に眼前、少女の操るスタンドの足下から
マグマのような色彩の光が円柱状に立ち昇り、
鋼鉄を弾く感覚を伴って機動プログラムが内部に撃ち込まれる。
遠隔操作だというのに近距離パワーの威圧感を持って迫ってきたスタンドへ
騎士が対応すると同時に、火球と技術を煙幕に同時追撃へかかった少女の腕を
淑女がリボンで捉える。
猛突の矛先が換わり、大きく弧を描いて振り廻される少女は途中で
巻かれたリボンを強引に引き千切り、天井を蹴り砕いて遠心力を相殺、
バルバルッ! と旋転を繰り返し鼎立の体勢で着地した。
既にリボンを揺らめかせて肉薄する淑女の脇で、
着弾した隕石が火柱を噴き上げる。
「邪魔よッッ!!」
「(邪魔) でありますッッ!!」
裡に宿るスタンドの影響か別の理由か、
肘を軋らせ膝を拉がせる乙女二人が
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