第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#23
METEOR STORMU 〜Black Matrix〜
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if《もしも》は禁句だが、
二人がもし同じ時代に存在していたとしたら、
一つの国の運命が変わっていた可能性は充分に在る。
否、一つの悲劇が未来への希望へと繋がるように、
この出逢いも、また……
「一つ、解ったコトがあるのであります。
空から降り注ぐ火球、隕石、でありますか?
ソレはどれだけ降り注ごうと
“貴女自身” には命中しないのであります。
先刻の狂乱の最中、貴女の躰に触れた隕石が
塵となって消えたのを確認したのであります」
「む、そうなのか? 弾くのに夢中で気づかなかった」
アナタが護ってくれたから気づけたコト、
でもまぁ、ソレは言わないでおく。
灼けて零れたサーベルの刀身、それが何故か彼の風貌と重なった。
「だったら、なんだって言うの?
能力が露見て弱体化するスタンドは山ほどあるけど、
アタシのはそうじゃない。
同じ躱し方は二度通用しない。
はっきり言って」
レンズ越しの狂暴な視線と共に、少女が淑女を指差そうとした瞬間。
「ツンでいるのであります」
「投了」
そう言った淑女の口唇に刻まれる、不敵な笑み。
同時に伸びたリボンが七本、ズラリと立ち上がり
その先端には色とりどりの瓶が巻き付けてあった。
(ま、まさか――ッ!)
「 “すたんど” の法則とやらは知りませぬが、
口が、滑りましたな」
音速のスピードでその瓶を破壊しようとした少女より一刹那、
無造作に投擲された瓶が弧を描いて宙を舞い、
即座に白条にて断ち切られる。
実際は、少女が幾ら素早い動きで瓶を破壊しても無意味、
強烈なパワーで鉄は砕けても、舞い散る 「水」 は砕けない。
バシャアッ! 罅だらけの床に撒き散られた水で 「道」 が出来、
ソレは封絶の中で静止する 『サバイバー』 本体へと繋がっている。
「しまっ――!」
少女が床を蹴り砕いて道をなくそうとする前に、
電気信号のスタンドは文字通り神経の情報伝達に比類したスピードで
明滅を繰り返しながら一挙に淑女の裡へと流れ込んだ。
「くあぅ……ッ! う、ああぁ……!!」
バジン! と体内電流が外に弾け、
その中に巣くうスタンドの幻 像が
一瞬空間に大きく映し出された。
「ヴィルヘルミナ!」
駆け巡る熱い衝撃に蹌踉めいた躰を受け止めようと、
「触らないでッ!」
駆け寄った青年を淑女は左手で制した。
「熱、い……!
コレが、 『さばいばー』 とやらの、能力、でありますか?
確かに、渇きにも似た闘争心が……!
無尽、に、沸いてくるので、あります!
“誰でもイイ” 気分なので、あります! くっ、あぁッ!」
喘ぐように叫ぶと同時に、
提肘固定されていた三角巾が乱暴に
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