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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#23
METEOR STORMU 〜Black Matrix〜
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ット。
 スタンドの真髄は、その優劣は能力単体に依存するのではなく
この “操作練度” に最も重点が置かれる。
 その意味に於いて、彼女が吉田 一美に匹敵するほどの
素質を持っていたというのは想像に難くない。
 舞い踊る陽炎、噴き荒れる焼塵、
挑みかかった白銀の騎士と古の王女は、
断末を挙げるコトもなく灰燼に帰したのか? 
 どうでもイイ。
 最初から、解りきっていた結果。
『サバイバー』 の能力に加圧(ブースト)された状態で、
この 『流法(モード)』 を発動させれば誰であろうと滅びるしかない。
 ソレでは面白くないので、少し遊んでやっただけだ。
 わざと威力(チカラ)を抑え、相手の能力を見定め、
追い詰められた状況での 「駆け引き」 を楽しむ。
 敬愛する “アノ人” の為、
自分はまだまだ 「成長」 しなければならない。
 その為の、実戦という名の訓練(ゲーム)、色々試してみて損はない。
 降り注ぐ火球、空気の灼ける匂い。
 レンズ越しに映る夥しい炎を見据えながら、
少女(アイリス)は思い出していた。
“アノ人”
『黒い天使』 と初めて逢った日のコトを。






 ――中東の最南部、周囲を山岳と渓流で囲まれた集落で少女は生まれた。
 村は地図にも記載されない小さな場所、
風光は明媚だったがそれ以外特色のない、
農耕や酪農で細々と暮らしている人々の集まりだった。
 村人の多くは、早々と結婚し子供を作り、
後は延々と家族を養う為に汗を流す日々。
 少女も当然そうなると自覚し子羊の世話や織物の手伝いをしていたが、
誰に教わる事もなく文字を読んだり書いたり出来る聡明さに
着目した村長の薦めで、一人 「学校」 に行く事を許された。
 周りの子供達と遊べなくなること、
通学にバスで三時間以上かかることに当初少女は不平を漏らしたが、
持ち前の聡明さと弛まぬ努力でめきめきと頭角を現し、
都市部にある有名進学校への推薦を受けるほどにまで学力は向上した。
 知らせを受けた両親は子供の才能を喜びつつも、
愛娘を一人都会に行かせる事を不安がったが、
少女は大丈夫と意志のある瞳で決意を示した。
 集落の子供は、街で生まれた子供と同じく当たり前のように
教育を受ける事は出来ない。
 街生まれの子供が不平だらけで受けている授業を、
少女は具にノートに書き留め、
それを村の子供達に教えてやるのが何よりの楽しみだった。
 他の生徒が落書きや悪戯で汚している真新しい教科書を、
村の子供達は宝物のようにみつめ、
少女の説明を御伽噺のように聞き入った。
 その時の表情が、笑顔が、他の何よりも嬉しくて、
もっともっと色々な事を教えてあげたいと少女は純粋に願った。
 こ
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