宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 3
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「さて、疑問があるやつばかりだろうが、まずはこのリストを見てほしい」
床のモニターにリストを映し出す。
「0550以降に船外服を着用するためにロッカールームに入った者だ。オレは原則0550に船外服を着用するように言ったはずだが、どうだ、この結果は。船務科どころか保安科は半数がリストに入っている。大方、自分たちには関係のない訓練だからだと気を抜いていた証拠だ。巫山戯るな!!ここは軍艦の中なんだぞ。ヤマトに乗っているのは全員軍人だ。軍人は上意下達が基本中の基本だ。それが守れていないとは何事だ!!これは上に対する意見具申とは全く別のことだぞ。徹底させておけ!!保安科!!次に同程度の失態を犯せば解隊して別の科から再編する。訓練だからだと甘く見るな!!」
「はっ、申し訳ありませんでした」
「リストに存在しない科も同じことだ。徹底しておくように。そして先程の件だが、諸君の能力を正確に確認するために仕組んだ物だ。技師長に協力をお願いし、シミュレーションを行ったのだ。これからの航海では先程のような遭遇戦が一番多いだろう。その時、諸君がどれだけ動け、そして見えているのかを確認するために行った訓練である。失態を犯したな、砲雷科」
「ええっ!?」
「今回の細工は艦橋部分とS.I.Dしか影響していない。第3主砲カメラには細工を行っていない。着弾を確認出来たか?出来ていないはずだ。データ上にしか存在しないんだからな。着弾の目視確認を怠った証拠だ。あとで担当に言っておけ。不審なことがあれば艦橋に報告を上げろとな」
「申し訳ありませんでした」
「加藤、帰還命令後の悪態は今回は無かった事にしておいてやる。だが、発進可能報告が上がるまでの時間が掛かりすぎている気がする。出来るだけ速めろ」
「了解です」
「今回は訓練だから死傷者はいない。だが、もしかしたら居たかもしれないということを常に念頭に入れておけ。実践でのミスは誰かの死だと思え。オレにできることは、こうやって心構えを教え込むのと、教科書なんかには載っていない生々しい生存率向上術だけだ。お前たちを一人でも多く生き残らせるためにな」
「副長」
「それでは30分後に再度訓練を開始する。今度の訓練はヤマトの性能をどれだけ引き出せるかの確認だ。それをこのブリーフィングの事と合わせて通達するように。ワープの実験は30分繰り下げる。散開」
それからの訓練は実践のような緊張感の中で行われた。おかげでヤマトは十全の力を発揮できることが確認できた。
「よし、ではこれよりワープの実験に移る。瀬川君」
「準備できています」
マイクを受取り、艦内放送を行う。
「これよりワープの実験に入る。各員は所定の配置に付き、船外服を着用の上で覚悟を決めろ。たぶん
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