宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 3
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。その威力は浮遊大陸を跡形もなく吹き飛ばしてなお余りあるエネルギーの尾が残された。環境にいるオレと瀬川君と艦長以外が唖然としている中、指示を大声で飛ばして正気に戻す。
「射線上の星図を出せ!!」
「は、はい!!」
「真田、データは取っているな?射程を算出しろ!!」
「すぐに出します!!新見君!!」
「艦内機能の復旧を急げ!!島、反転180度、上げ舵45度、木星から離れろ!!」
「りょ、了解!!」
今出せる指示はこれだけか。未だにトリガーから手を離せていない古代君の元に近寄り、肩を叩く。
「ふ、副長?」
「古代、もう良い。トリガーから手を離せ」
「えっ、あっ!?」
慌てて手を離そうとして、離れないことに慌てて手を酷く動かそうとする古代君の背中を叩いて落ち着かせる。その後、回路を切ってやる。
「一本ずつ、ゆっくりとだ。慌てる必要はない。回路はもう切ってある。ゆっくりと、そうだ」
時間を掛けて全ての指が離れると、どっと疲労が来たのか席に座り込む。
「これが、波動砲」
「ああ、恐ろしく強力で、恐ろしく危険な、恐ろしくヤバイ兵器だ」
「で、ですが、これがあればガミラスの奴らだって」
「南部、核兵器が地球上で使用禁止になった原因はなんだ?」
「それは、手軽で、強力で、汚染が激しいからです」
「それだけじゃない。戦争は何のために起こるのかと言えば国家の利益のためだ。必要なものまで破壊してしまう。だから禁止されてるんだ。波動砲は核よりも危険だ。オレ達はガミラスの基地を叩ければそれでよかったんだ。それが大陸その物を吹き飛ばしてしまった。オレ達にそんな権利などないと言うのに。分かるか、南部?オレ達は手を出してはならない領域に手を出してしまったのかもしれないんだぞ。この禁断の兵器の誘惑に耐えなければ、例え地球を救ったとしても、胸を張って未来の子供達に自分達の所業を誇れるか?」
「だけど、それで死んでしまっては、元も子もないじゃないですか」
「そうだ。死んでしまえば意味はない。だから、必要があればオレも艦長も使用許可を出すだろう。だが、無闇に使ってはならないんだ。常にその誘惑と向き合わなければならない。真田、射程は?」
「出ました。星図と重ね合わせたところ、惑星、衛星、恒星、いずれも射程内には入っていませんでした」
「ふぅ、ひとまずは安心だな」
「はい。また、汚染などの影響も一切ありません。波動砲自身も冷却こそ必要ですが、連射も可能です」
「そんな機会は来て欲しくないな。徳川さん、エンジンの方は?」
「ギリギリ保ったみたいじゃ。手動で冷却をしたおかげじゃが、こんなことは二度とやりたくないのぅ」
「艦内機能の復旧は?」
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