宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 3
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、副長」
「腕は鈍っていないようでよかったよ。良い機体だが、コスモファルコンとは合わせられないな。ゼロ同士か、単独運用が基本になる。余らせているのも勿体無いからあいつを専属にさせるぞ。古代君から良い腕だと言われていたし、ちょっと調整してやれば乗りこなしてくれるだろうからな」
そんな話をしていると2号機が格納庫に戻ってくる。
「お前、心あたりがあるんだろう?」
「……ええ」
「余裕はないんだ。全力を尽くせ」
「ですが、あいつは」
「まあまあ、隊長。副長のお言葉は最もですから」
2号機からパイロットが降りてくる。
「ヘルメットを取って官姓名を名乗って」
ヘルメットを取って素顔を晒したのは火星生まれの特徴である紅瞳を持つ褐色肌の女だった。
「主計科、山本玲三尉です」
「主計科ね。後で平井君の所に航空科に転属することを説明すること。約束通り乗機は2号機でコールサインはアルファ2だ」
「ありがとうございます」
「あと、実際の腕を見てみたいからシュミレーションに付き合ってもらう」
「はい」
「加藤君、そういうわけだ。あとは頼む。書類は全部オレの方に回してくれ。艦長にはオレの方から報告しておく」
「……了解しました」
「あと、こいつを戻しておいてくれ。艦長に報告に行ってくる」
ヘルメットを篠原君に投げ渡して古代君に合流して艦長室に向かう。オレは黙って隣に立っておく。報告は古代君がする必要があるからな。艦長は背中を向けたまま報告を促す。
「報告します。救難信号を発していたのはメ号作戦に参加していたユキカゼのものでした」
「生存者は?」
「……ありません」
「……そうか」
そのまま暫くの間、艦長は何も話さない。
「地球を、ユキカゼのようにはしたくないな」
「「はい」」
ちょうど、次の採掘場に向かうコース上にユキカゼの残骸があり、ちょうど上空に差し掛かる。オレ達は何も言わずに敬礼を捧げる。
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