嫌な出来事
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。もっと上手くやりなさい」
「あら。これでも交渉上手な貴族仲間にも通じた手ですわよ?」
「やったのか!?お前何をやってるんだ……?」
「使える手は何でも使う物ですよ、勿体無い。適材適所と言う奴です」
「合って、いるのか……?この場合」
「俺に聞くな篠ノ之」
廊下を歩きつつ先程の嘘泣きに付いて話す、幻想郷にはもっと上手く泣く連中が多い。八雲 紫がその筆頭だろう。幻想郷でも一番の胡散臭さを持ち合わせている妖怪、そんな者の演技と比べればセシリアのはまだまだ学芸会レベルの物。
「霧雨、話がある」
「………」
部屋へと歩き続けている一同を止めた千冬、目的は閃輝一人。メールであるのならば逃げるの容易いが目の前で言われるのを逃げるのはきつい。こちらが用があると言っても教師と生徒と言う関係上教師の方が優先されてしまう。
「何でしょうか」
「ここでは話せん、応接室まで来い」
「解りました、先に行っててくれ」
素直に従う事にする、アイコンタクトで咲夜に心配しないでくれと送ると最初から心配してないから安心してと帰って来ると笑いが込み上げてくる、それを抑えつつ千冬の後に続いて応接室へと向かって行く。厳かで豪華な内装の応接室へと入った二人、千冬は軽くお茶を出して座るように閃輝に催促するがそれは無視される。
「用件は何ですか、先約が入っていた所を曲げてきてるんです。茶なんか良いので用件を」
「っ……お前の専用機についてだ」
キツく冷たい物言いに気押されかけるが直ぐに気を取り直して内容を話す、それは閃輝の専用機についてだった。世界初の男性IS操縦者と言うことで日本が直々にそれを用意するという話だったが閃輝はそれを鼻で笑った。
「専用機?既に俺は持っていますよ」
「なにっ!?」
指に嵌められている専用機、親友であるにとりと兄である闇夜の二人が拵えたPE。それが既に自分の相棒といえる存在になっている。
「俺がどういった立場にあるのか既にお忘れですか、俺は"ファンタジスタ"専属操縦士ですよ」
「な、ならば直ぐにそちらの物を返却し代わりに……」
「話になりませんね。会社の皆さんが作ってくれた者を返却し何所の馬の骨とも知れない奴が作ったのを今更使えと?馬鹿ですか貴方は。それにそれを認可するかは私の上司です、失礼します」
言いたい事を言いきったのかそのまま身を翻して扉へと向かおうとした身体が急に止まった。肩に感じる圧迫感、千冬に肩を掴まれている。
「なんですか。まだ何か」
「如何して……如何してなんだ!?何故そんな私を見てくれないんだ一夏!?」
泣き出しそうな声と表情の千冬、彼女からしたら死んだと思っていた家族が生きていてこうして会えたのに他人のように振舞って自分を無視している。それが辛
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