第三十一話 街を歩きつつその六
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「こうしてね」
「そうなのね」
「食べてみたら美味しいわ」
実際に食べてみての言葉だ。
「本当にね」
「御飯にも合うでしょ」
「お肉や卵もあるから」
その皿うどんの具だ。
「それでね」
「それを食べてね」
「ご飯のおかずにして」
「お酒も飲めるし」
麺を食べつつだ、優子は焼酎も飲んでいた。
「こうしてね」
「それもいいわよね」
「ええ、ロックでね」
優子が今飲んでいる焼酎はそれだった、優花のコップもあるが彼女のそれの中にも氷が存在している。
「飲むのがいいわね」
「そうよね」
「焼酎も」
「これは個人的な好みだけれど」
「焼酎というかお酒はロック?」
「それがいいわね」
最も美味しいというのだ。
「私達的にな」
「こういうところも姉妹ね」
「そうね、実の」
まさにとだ、二人で笑って話した。そして。
優子はその焼酎をさらに飲んで自分でコップに入れてだ、優花にこうも言った。
「好みが似ているところも多いわね」
「そうよね」
「全然似てないのに」
「外見も性格も」
「似てる部分もあるわね」
「こうしたこととか」
「好みもね」
焼酎、大抵の種類の酒の飲み方はというのだ。
「ロック派でね」
「そうよね、ただワインやビールはね」
それはというのだ。
「ロックじゃなくてそのまま冷やす」
「それがいいよね」
「そこも姉妹よね」
「何かとね」
こうしたことも話す、そして。
その話をしつつだ、優花も飲む。それから。
優花は窓の外を見た、外はすっかり夜で灯りが見える。優花はその夜の灯り達を見つつ姉に対してこんなことを言った。
「夜は出ない様にしてるの」
「それがいいわね」
「危ないから」
「夜の一人歩きはね」
「女の子のそれは」
「そう、よくないから」
優子もこう答える。
「だからしない様にしてるの」
「安全の為にね」
「だからこうして夜はね」
「見ているだけね」
「ここでね」
部屋の中でというのだ。
「そうしてるだけよ」
「女の子の一人歩きは禁物よ」
「何処でも」
「危険の素だから」
「お部屋の戸締りもね」
「ちゃんとしないと」
「絶対に鍵をかけて」
そしてとだ、優子は今二人がいる部屋の中を見回した。すると部屋の中にしっかりと金属バットが置かれていた。
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