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第四十八話
第四十八話 悪夢のはじまり
「ふふふふふふふふふ」
「さてと」
「今日は何やらかすのかね」
タロとライゾウは天井裏から高笑いをする博士を見下ろしていた。
「どうせ碌なことじゃないだろうけれどね」
「それは確実だね」
ライゾウは言う。
「あの博士だから」
「しかし」
小田切君は二匹とは少し違った顔をしていた。
「ここにいて大丈夫かな、僕達」
「さあ」
「さあって」
タロに言い返す。
「無責任な」
「だってあの博士だよ。本当に何をするか」
「わかったものじゃないよ」
「まあそれはね」
小田切君もそれは嫌になるまでにわかる。
「あんな人だからね」
「そうだね」
「あっ、そろそろだぜ」
ここでライゾウが言ってきた。
「博士が何かするぜ」
「さて、何なんだろうね」
小田切君は呆れた調子で述べる。
「もう何が何だか」
「さて、見るがいい」
博士は周りを完全武装の警官と自衛官に囲まれながらも傲然としていた。
「わしの新たな変身を!ムンッ!」
懐からカードを出してきた。そのうえでまた言う。
「い出よ!モンスターーー!」
闇に包まれる。そして人型の謎のモンスターが現われた。
「!?」
「何だこいつは」
「行け、メカサイボーグウルトラエックスよ!」
博士はそのサイボーグモンスターに対して言う。
「今ここで!奴等に地獄を!」
「これは」
署長はそのサイボーグモンスターを見て目を瞠る。そのうえですぐに指示を出してきた。
「まずはあのサイボーグに攻撃を」
「了解!」
皆それに応える。そしてサイボーグに銃を向ける。
「潰れろ!」
「また碌でもねえもの出してきやがって!」
一斉に発砲する。だが銃弾はサイボーグの前で消えてしまった。
「何っ」
「どうなってるんだ!?」
「無駄よ、無駄、無駄!」
博士は呆然とする警官や自衛官を前にして叫ぶ。
「このわしのサイボーグに勝てる者なぞ存在せぬ!わしは無敵じゃ!」
「あんなこと言ってるけれど」
「どうなるやら」
二匹はそんな博士を見て相変わらず醒めていた。
「何はともあれさ」
小田切君が彼等に囁く。
「大変なことになるね」
「そうだね」
それだけがはっきりしていた。
第四十八話 完
2007・1・2
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