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第四十七話
第四十七話 博士の秘策
「さて」
博士は前に出て来てニヤリと笑っていた。実に不気味な笑みである。
「見せてやろうぞ、わしの改造を」
「どんなのでしょうか」
署長はにこやかに笑ってそれに返す。
「見せて下さい」
「そんなの言うと大変ですよ」
小田切君が署長に突っ込みを入れる。
「博士には」
「大丈夫です」
しかし署長はそれに取り合わない。
「これだけの人数で既に取り囲んでいますから」
「小田切君」
博士はこの言葉を聞いて小田切君に対して声をかける。
「署長にわしの凄さを教えてやれ」
「言っても言わなくても同じですよね」
だが小田切君はそう返す。
「やることは」
「まあそうじゃ」
博士は小田切君の言葉に答えて言う。
「どちらにしろな。やってみせる」
「やれやれ」
「あの、小田切さん」
署長は静かだが色気のある声を小田切君にかけてきた。
「博士に素直に来てもらえるように言って頂けますか」
「いえ、それ何の意味もありませんから」
小田切君はそう述べてこれも引き受けようとはしない。
「博士には」
「そうですか」
「おわかりでしょう?」
小田切君は達観した言葉を述べる。
「そんなことは」
「何かねえ」
だが署長はそう言われてもまだ言いたそうであった。
「どうにもならないのね、この人は」
「はあ」
「天才に意見なぞ無用!」
やはり人の話は全てが礼賛に聞こえるらしい。実に厄介な耳を持っている。
「では見るのだ自衛隊と警察の諸君!」
懐からあのカードを出してきた。
「今ここに!サイボーグモンスター召喚!」
「さて、話はこれからね」
「何が出て来るやら」
署長と小田切君はそれぞれ違う理由から身構えた。小田切君は逃げようとしているが署長は自衛官として前に向かおうとしている。その前で今博士の後ろから何かが姿を現わした。
「はははははははははは!」
「どっからどう見ても文句なしのマッドサイエンティストね、この笑いは」
「だからそうなんですよ」
高笑いを浮かべる博士に突っ込みを入れる署長にそれに応える小田切君。そんな小田切君のところにそっとタロとライゾウがやって来た。
「とりあえず天井裏に行こうぜ」
「そうだね」
「それじゃあ」
小田切君は二匹の言葉に頷く。そして安全な場所に逃れて様子を見守ることにした。
第四十七話 完
2006・12・27
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