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IS ーインフィニット・ストラトスー 〜英雄束ねし者〜
2話『大切な人』
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選び、一人部屋を一夏に譲ったと言う経緯がある。

 その結果、彼は幼馴染の箒との同室と言う事になった。

「秋八……クラス代表戦、自身は有るのか?」

「当然さ。オルコットさんと条件が同じ一夏兄さんは兎も角、四季には簡単に勝てるね」

「ああ、アイツは昔から一夏の影に隠れていたからな。まったく、軟弱物が」

 秋八の言葉にそう答える箒だが、再会した四季の纏っている雰囲気は……

(そんな訳がない! あんな軟弱物が……一流の武芸者の様な気配を纏っているなどありえる訳がない!)

 自分の感じた直感を全力で否定する。再会した四季から感じた気配が、一流の武芸者……剣士。純粋に剣で戦ったのなら自分は愚か、千冬や自分の父でさえ勝つことは出来ないと思ったなど、単なる気の迷いだと自分に言い聞かせる。

「オルコットさんがどんな手で繰るか分からないから、本格的に鍛えなおそうか。一夏兄さんも誘ってさ」

「むぅ……そうだな」

 多少不満そうな顔を浮かべる箒に秋八は笑顔を浮べながら、

「そうだ、序でに四季も誘おうか。あいつも無様な試合を曝さない様に一度鍛えた方がいい」

「ああ、あいつの性根を一度叩きなおしてやろう」

 自分の中に浮かんできた考えを振り払うように箒はそう叫ぶ。

「僕と一夏兄さんがどんな専用機を貰えるかは分からないけど、時間もあまりないし元々持っている技術を磨いた方が良いからね。剣道の全国大会で準優勝した君に付き合ってもらえるなら、悪くない」

「し、知っていてくれたのか!?」

「うん、優勝できなかったのは惜しかったね」

「ああ」

 箒はそう悔しげに呟く。1つ年下の相手に対して言い訳の仕様もないほどの完璧な敗北だった。
 大勢の友人達から祝福される優勝者である彼女と……誰からも声をかけられる事もなく孤独だった自分。その事に悔しさだけでなく妬ましくさえ思った。それに耐えられず無表情の仮面を保ちながらその場を後にした時に聞こえてきた、彼女の心の底から嬉しそうな声。
 好きな相手、憧れていた相手に優勝を祝福して貰ったのだろうと今なら理解できる。居た堪れなくなってその場を逃げ出した箒だったが、彼女に対して強く嫉妬していた。優勝と言う栄光も、姉のせいで自分が一緒に好きな相手と一緒に居られなくなったのに相手は祝福して貰えた。そんな相手と一緒に居られるのに優勝まで奪われた。
 彼女の持っていた物の全てが、その時の箒には無かった物であり、自分から掻っ攫って行った物。羨ましい、妬ましいと言う感情が心を支配していた。それと同時に浮かんだのは例え様の無い敗北感。

(だが、今は私も秋八と一緒に居られる)

 姉の作り出したISのせいで秋八とは離れ離れになったが、今度はそのISのお蔭で秋は
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