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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第2章 魔女のオペレッタ  2024/08 
最後の物語:嘘の魔法
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「はい、実はそうなんです………私、血盟騎士団にはつい最近入団したばかりで………だから、捕縛作戦の要員になれなくて………でも、どうしても、私もお手伝いしたくてですね………」
「だったら、作戦内容とかはギルドの身内の方が詳しいんじゃないかナ?」


 完全なノーマークだったとはいえ、ごく最近入団した新人となればアルゴに覚えが無かったというのも得心がいく。
 しかし、どうにも解せないのは彼女の行動原理だ。
 わざわざ居場所の定まらないアルゴを探し当てるより、同属の団員に話を聞けばそれだけで事足りる。むしろ実質的な作戦の立案や検証は血盟騎士団を主導に進捗していると聞く。必然的に、彼女は周囲の人間に聞くだけで容易に情報を得ることが出来た筈なのである。攻略組の性質からして、外部に情報を流出することを忌避することはあっても、ギルド内部であればその垣根は存在しない。
 だとすれば、アルゴがこれまで彼女を観察した中で彼女に情報公開の為されない理由として思い至る根拠は一つのみ。嫌な予感が脳裏を過るものの、確認がてら質問を投げかける。


「………もしかして、危ないからお留守番してろとか言われて教えてくれなかっタ………とかじゃない、よナ?」
「ア、アルゴさん………まさか、ゴドフリーさんやダイゼンさんと同じことを思ってるんですか? 何もないところで転ぶのは足下が良く見えないからでもう慣れっこですもん! 戦闘中には何故だか絶対に転ばないんですから! 皆さん心配しすぎなんですってばー!!」
「そりゃそんだけデカいのぶら下げてりゃ見えねーヨ! 見えねーだろーケド、自分の身体なんだからもういい加減慣れろよナ!?」


 荒ぶるフィーの文句に、アルゴの恨みの籠った叫びが交錯してカフェの中を伝播する。
 フィーの感情を代弁するように荒ぶる胸部がアルゴの火に油を注いだのは別の話であるが。
 しかし、これで彼女に同じギルドの仲間でさえ捕縛作戦の情報を伝えようとしないのかが判然とした。決してフィーを排斥しようという風潮が血盟騎士団内に蔓延っているのではないらしい。扱いとしては手厳しいところが多分に予想されるが、ただ純粋な優しさであったようだ。彼女には彼女の思いがあってのことだろうが、こればかりは血盟騎士団の諸先輩方の意向にも思わず頷いてしまう。


「………とりあえず、悪いことは言わないからギルドの人達の言う通りにした方が良いと思うゾ。血盟騎士団に居るって事は、フィーちゃんもそれなりに強いんだろうけど、相手はフィールドを徘徊してるモンスターなんかじゃなくて、オイラ達と同じプレイヤー(生きてる人間)なんダ。もしかしたら、誰かが命を落とすような事になるかも知れなイ。オイラとしても、あまり手伝いをしたいとは思えなイ」


 ともあれ、彼女が如何なる事情を以て
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