第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#22
METEOR STORM 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE?〜
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しなく動かしている。
「ダメだな。ジョースターさんを始め、
承太郎や花京院にもかけてみたが通じん。
おそらく交戦中、連絡を取る間もないのだろうな」
「アノ方は?」
「番号を、教えてもらってないのだ。
かけないんだから意味ないとか言ってな」
「……」
さもありなん、でもちょっとだけかわいそうかな
と想ったヴィルヘルミナは、隣の騎士に出立を促す。
目指す先は、封絶の中心部。
先刻から、途轍もない力の激突が何度も繰り返され、
しかもまた今、一つの存在の力が急速に膨れあがっている。
幾らアノ方と云えど、一人では危うい。
そう考えた矢先、
ヴァガアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!
けたたましい破壊音と共に、
ホテルのエンブレムが嵌め込まれたカウンターが床と平行に飛び、
固定されたソファーとテーブルを巻き込みながらガラスを叩き割って
中庭へと駆け抜けた。
((新手のスタンド使い!?))
淑女が気配を感じなかった為そう解した二人は、
背中合わせでサーベルとリボンを構える。
しかしその場に立っていたのは拘束した少女、
精妙な縛法で指先一本動かせない筈なのに、
内部の自在法ごと強大な力で無理矢理引き千切ったかの如く、
荒れたリボンの断片が散乱している。
否、真に瞠目するべきは、その 「結果」 ではない。
少女の傍にいま 『スタンドが立っていない』 というコト。
つまりコレは、己が異能に頼らず 『生身の力のみ』 で、
拘束から逃れた事実を意味する。
「な、何故!? “すたんど” は、
「一人一能力」 の筈ではなかったのでありますか!?」
「オ、オレにも解らぬ……
“遠隔操作” の射程と 『近距離パワー』 の破壊力を
同時に持つスタンドなど……今まで視たコトがないッ!」
驚愕のため責めるような口調になる淑女に、青年も声を荒げる。
どれだけ脳細胞をフル稼働しても、通常の思考では絶対に出ない解答。
ソレが瞳に狂暴な火花を散らす少女から告げられる。
「アナザー “DISC” スタンド、
『サバイバーッ!』 」
そう叫ぶと同時に手にした瓶を床に叩きつけ、
暴力的な音で砕け散る破片と水が足下に撒き散らされる。
同時に、不可思議な光景。
撒き散らされた、ごく小さな水の流れ、飛び散った僅かな水滴にも、
異常に明度の低い、眼を凝らさねば解らないほどの波紋が無数に現れた。
円周の内から伸びた、粘液の糸のように儚く脆い触手が中心部で
原始生物のような面を形作り、ソレは水の上を出たり消えたりしながら
規則性のない動きを繰り返している。
少女の言葉を鵜呑みにするなら、
コレがもう
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