第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#22
METEOR STORM 〜PHANTOM BLOOD NIGTMARE?〜
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催す圧倒的な脅威の中、
淑女は静止した人間を具に見回した。
先刻までの妙に平淡な態度、この助勢を期待してのやはり時間稼ぎ?
しかし隣に立つ銀髪の青年が、肩に手を置き無言で首を振った。
「……その “DISC” まさか、 『そういうコト』 だったのかッ!」
ヴィルヘルミナにも解るように、殺気は疎か身動き一つしない、
人形のような 「本体」 を指差す。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッッ!!
蹴り剥がされたカウンターの奥に佇む者、
ホテルの制服姿で、書類に眼を通したまま静止する青年。
その頭部に、先刻少女が投げ捨てたDISCが突き刺さっていた、
否、正確には細胞と融合して内部に取り込まれているというべきか?
タイトルもアーティストも記されていない無地の表面に、
原始生物のようなスタンドの幻 像が浮かび上がっていた。
「スタンドを “DISC” にして、“自由に使用出来る” 能力ッ!?
そんなとんでもない 『スタンド使い』 がいるのか!?
君に能力を与えたのも、“ソイツ” の仕業かッ!」
ご名答、とでも言うように、
アイリスは不敵な表情のまま拍手を送る。
自分に異能を与えたその人物を、
心から崇拝している表情だった。
「順番が逆になっちゃったけど、流石に鋭いわね?
J・P・ポルナレフ。 その通りよ。
この世界には、アンタ達みたいなショボイ能力じゃなく、
それこそ 『神』 に匹敵する能力を持ったスタンドが存在するのよ。
一人は 『DIO様』 、そしてもう一人が “その人”
勘違いしているようだから言っとくけど、
“その人” はどっかのバカみたいに、
世界を 「支配」 する事になんか興味がない。
もっと大きな目的、「人類」 の 『真の幸福』 の為に能力を使ってる。
いつかみんなが 『天国』 に行ける。
その日だけを純粋に願って!」
「……」
「……」
得体の知れない、実体のない灰色の靄のようなモノが
二人の脳裡に渦巻いた。
この少女は、一体何を言っている?
理論上、この世に存在するスタンドを全て統括出来る者が
DIOの傍にいるだけでも衝撃なのに、
『天国』 が存在して其処に皆を連れて行く?
愚者の戯言か狂人の妄言か、
しかしソレを一笑に出来ないだけの能力が
その男 (?) に在るのも事実だった。
「 “その人” の為、目的を果たすその時まで邪魔者は
スベテ排除するのがこのアタシの役目よ!
その為なら何を犠牲にしようと
“Domine, quo |vadis
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