進路指導のウィザード
吸血鬼との会談(2)
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俺達は愚かではない》今戻ったとしても裏が大暴れするだけですから静観します」
「混じり者、忌み子、擬き、と貴方は如何様な呼び名でヴラディ家を過ごしていたのかしら?感情共有していたのは、ツェペシュ家のハーフであるヴァレリーだけでしたよね?ツェペシュ側のハーフが一時的に集められて幽閉される城内で、貴方とヴァレリーは手を取り合い助け合って生きてきたらしいですね。ヴァレリーを止めたいと思いたいのならすぐに動くべきかと」
「ちょっとお待ちを。貴女方はハーフの子達を忌み嫌ってますが、元々人間を連れ去って慰み者として扱って結果的に子を宿せたのは吸血鬼の勝手な振る舞いによる事ですよ?貴女方に民を食らい散らかされて悔しい思いを持ちながら、憂いに対処してきたのは我々教会の者ですし、そのまま聞いていると趣味で人間と交わっていると言っているようなもんです」
神器説明に三大勢力としての動き、そしてエルメがギャスパーに質問をしてから今までの事を暴露のような言い方を今まで黙っていたシスター・グリゼルダが口を開いた。柔らかい物腰であり、言葉としては毒が満載ながらも笑みだけは絶やさずにな。流石はイリナの上司でゼノヴィアの元保護者だけの事はある。エルメは口元に手をやり、小さく笑む。
「それは申し訳ありませんでしたが、私達も人間を刈るのが吸血鬼としての本質。悪魔や天使も同じだと思っておりますが?人間の欲を叶え対価を得る、または人間の信仰を必要とする。我ら異形の者は人間を糧にせねば生きていけない『弱者』ではありませんか」
「その言い方は少々苛つくが、まるで俺達人間を利用して生きているとしか聞こんが」
「失礼致しました。織斑様の仰る通りですが、我ら異形の者が生きる事に関してはそれしかありませんので」
異形な者=天使・悪魔・堕天使の三大勢力も人間を利用して対価を得る、人間と三大勢力の狭間にいる俺らにとってはとても遺憾でもある。ま、しょうがないと割り切るけどな。人間を糧で等価交換ではなく狩りで、他の皆はエルメの目を嫌になってくる。自分達以外を酷く蔑んでいて、ハーフのギャスパーに関してもだが覚醒した裏を相手したくないと思ってるに違いない。
『落ち着け、今のお前相手にする程ではない。コイツらは純血として血と階級に拘っている』
『ここは一真さんにお任せしますが、確かに悪魔の貴族社会みたいな感じですね』
《俺としては今すぐにでも闇に葬りたい気持ちだが、旦那の指示に従わないと粛清されてしまう》
『そう言う事だ』
俺と表裏一体のギャスパーと念話しているが、コイツらは二種類しかいないが純粋とその他しかな。するとエルメは後方で待機している吸血鬼を呼び、鞄から書面を取り出す。
「手ぶらで来た訳でもありませんので、書面をご用意させてもらいました」
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