38部分:第三十七話
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第三十七話
第三十七話 陸王
こうしてモンスターの問題を処理することになった博士。いつものように小田切君が一緒である。
「人食べるんですよね、モンスターって」
「主食じゃな」
博士は何食わぬ顔で返答をする。
「それも大好物じゃ」
「大好物ですか」
「うむ、共食いもするしな」
「洒落になりませんね」
「まあそこは気にすることはない」
「いや、普通気にしますよ」
そう博士に抗議する。
「とんでもない連中じゃないですか」
「可愛いものじゃないか」
博士にとって可愛いとはホオジロザメとか人食い虎とかそうした類を指している。普通の人の可愛いという感覚とは全く違っているのである。
「それにじゃ」
「ええ」
「そんなのと契約してわしのものにするのじゃ。いいと思わぬか」
「それで今度は何をするんですか?」
「さてな」
その問いにはとぼけてきた。
「何をしようかのう」
「まあ警察沙汰になるのだけは勘弁して下さいよ」
「警察なぞ怖くはないぞ」
「そう思っていても言わないで下さいね」
憮然とした顔でそう言い返す。
「それじゃあ」
二人はここで公園のど真ん中に辿り着いた。
「ここからですよね」
「うむ」
博士は小田切君の言葉に頷いてきた。
「鏡の世界に入るのは」
「そうじゃ。ここからじゃ」
博士はここで指を鳴らした。すると何処からか謎のバイクが姿を現わしてきた。
「何ですか、この陸王」
また懐かしいバイクである。
「これに乗って行くぞ」
「えっ、これでですか」
「そうじゃ。懐かしの陸王でな」
博士はもうバイクに乗っている。当然マントを羽織ったままである。
「鏡の世界に突入じゃ」
「陸王ってそんなバイクでしたっけ」
小田切君の記憶ではそんなバイクではない。ごく普通の軍用バイクである。
「わしが改造したのじゃ」
やはりそれであった。
「じゃから安心せよ」
「いえ、そのバイクですとそもそも」
「何じゃ?」
「僕乗れませんよ、一人乗りですし」
「後ろに乗ればいいではないか」
「そのバイク時速何キロ出ますか?」
「ほんの一〇一五キロじゃ。エンジンは常温核融合を使っておる」
「またそんな滅茶苦茶なのを」
それを聞いてまた目の前が真っ暗になった。
「さあ乗れ」
「無理です」
はっきりと断った。
「そんなの乗れません」
「何じゃ、仕方ないのう」
それを聞いて渋々ながらもハンドルのところのボタンを押した。するとバイクはあっという間にサイドカーになってしまった。
「ほら、乗れ」
「どういう構造になってるんですか?そのバイク」
「わしの発明品じゃ。それだけじゃ」
「はあ」
説明になっていないが納
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