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リリなのinボクらの太陽サーガ
アポカリプス
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ーティーか。フェイトは絶対兵士プログラムから解放された頃に、アイツの目的を聞いてるからなぁ……」

「うん。ビーティーの……“クローンの社会的立場の向上”という目的は、正直に言うと私も同意してる。母さんと姉さんが拉致された事で完全版プロジェクトFATEのデータが取られてしまったから、今回の事件を解決しても次元世界ではこれまで以上にクローンが作られる。違法研究などで苦しむ彼らを救うのが私の使命であり目的なんだけど、管理局にいる以上は拠点を見つけないと助けられないし、執務官の資格が無いと自由に動けないのが弱点だった。だからとても悔しいけど、ビーティーが母さんを殺したことは……廃棄されたクローンがオリジナルと創造主を超えたという事実は、結果的に彼らに希望を与えているんだ。私のやり方は命の危機から直接助ける所までで、差別を受ける社会までは改善していない。でも……ビーティーはその社会をぶん殴った。クローンだからって差別するなと、次元世界全てに知らしめたんだ。そしてそれは多分、一つの抑止力にもなると思う」

「一つの抑止力ですか?」

リインが尋ね返した言葉にフェイトは神妙に頷き、その意味を説明する。

「さっき言った通り、これからクローンは更に作られていく事になる。でもクローンにオリジナルや創造主を超える力があるとなれば、違法研究者はそれに着目する一方で反乱の可能性にも気付くはず。要するにクローンを利用するという事は、逆に言えばクローンに自分達が殺される可能性が生まれるという事なんだ。他人の痛みには鈍感でも自分の痛みには臆病な連中にとって、これほど危うい存在は無い。だからこそ反乱を恐れて、クローンを利用した違法研究が減るかもしれない訳だよ」

「なるほど、だから抑止力と言ったのか。確かにビーティーのような存在が自分達を殺しに来ると考えれば、ビビッて及び腰になる奴も出てくるだろう」

フェイトの説明を受けておてんこがイメージした光景を皆も想像する。何でも壊せる力を持つサイボーグが自分を殺しに執拗に狙ってくる光景……キャンプ・オメガである意味プレシアが味わったのと同じ状況をイメージできた者は、そのあまりの恐ろしさに背筋に冷たい汗が流れる。

一方でビーティーの事をよく知らない八神家は、似たようなシチュエーションを考えた。はやては某大作RPGの零式、そのストーリーの最終章で無限に出てくる能面の戦士が現実に自分に襲ってくる状況をイメージし、「これはガチでヤバい、ってかマジで怖いわ」と苦笑いをした。また、ヴィータはとあるSF映画に出てきたクローン兵士が正義側に反旗を翻したシーンを思い出し、リインは某機動戦士のナチュラルとコーディネイターな戦争が思い浮かび、大体の意味を把握していた。

「それにしても……今更なんだが一つ疑問が出てきた。クローンがオ
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