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リリなのinボクらの太陽サーガ
アポカリプス
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ティーも……同じことをしていた……」

「フェイト、ビーティーは確かにプレシアを手にかけた。だけどクローンを救いたいという信念は同じ……むしろビーティーの方が強いと思う。自らの手を血に染めてでも、彼女は信念を通そうとしているんだから。あぁ、別に理解しろとも恨むなとも言わないよ、母親を殺された事で納得しがたい気持ちは察せるからね。だけど……いや、だからこそフェイトはビーティーの事をもっと知る必要がある。同じ信念を持ち、別のやり方を見出した者としてね。なにせ彼女が彼女なりに救おうとした者達こそが、目の前にいる彼らなんだから。……さあ、立つんだ二人とも。立って、そしてもう一度見るんだ……」

マキナの言葉を受け、フェイトとなのはは何とか気を取り直して再びベルトコンベアの方を見る。何度見ても吐き気のする光景……少女達の心が壊れかねない真実に、ジャンゴは「こんなのってあるの……」と辛そうな声で呟いた。

「……これが次元世界の現実なんだ、ジャンゴさん。次元世界は……間違いなく狂ってる、歪みきってしまっている。その歪みに私も、私の故郷ニダヴェリールも、そしてサバタ様まで巻き込まれた。私達はその歪みを正そうと必死に足掻いてきたけど……正直、ゴールが見えないんだよね……」

「マキナ……」

「変だよね……おかしいよね……誰だって平和に暮らしたいだけなのに、なんで世界にはこんなことを平気な顔でする連中がいるんだろう? 私達がそいつらの手から生き残るためには……大事な人を守るためには、全部我慢して戦いに身を投じるしかない。歯を食いしばって、どんな痛みも堪えて、引き金を引き続けるしかない。いつか終わるその時まで、私はずっと……戦って戦って戦い続けて、何があっても決して諦めなかった。……でも……」

―――いつかっていつ?

―――いつになったら終わる?

―――いつまで戦えば自由になれる?

小さな声でそう吐露するマキナ。ジャンゴはこの時、彼女の姿がいつもと違ってやけに小さく見えていた。つい手を伸ばして何か慰めの言葉をかけようとした次の瞬間、「ごめん、変な所を見せちゃった。気にしないでね」といきなり空元気を見せて、マキナは暗い表情のなのはとフェイトを連れて先に進んで行った。ジャンゴは今のやり取りで、マキナの“仮面”が一瞬はがれていた事には気付いていたが、結局どうしてあげたら良いのかわからなかった。

「ジャンゴ、さっきの姉御を覚えていてくれ」

「アギト?」

「さっきの言葉、あれこそが姉御の本心だ。回復魔法とか薬学とか、そんな風にヒトを救える知識を学んでる辺りからも、姉御が本心から戦いを望んでいないことぐらいわかるだろ?」

「うん、それは気付いてる。マキナってああ見えて本当はすごく優しい子だって事も、この光景に自分もショッ
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