アポカリプス
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てこんな事が許されるわけではない。そう続けたバルディッシュの言葉に、アギトだけでなく皆も同意した。
「……世界解放虫。それは髑髏虫とは違い、空気感染する寄生虫」
「マキナ……?」
「管理局のレーションとして大量に生産されている缶詰、それは数千個単位で管理局に納品されている。戦艦一つで、さっきのコンテナを数個は常備できるぐらいの量を。その数千個に、ここで作ったコピー品が一つ二つ混ざった所で、すぐに見破れるわけがない。木を隠すなら森の中、缶詰を隠すなら食糧庫の中って感じで……。そして、一人でも感染してしまえば、たちまち世界解放虫は爆発的に広がっていく。缶詰の中身を食べるだけ……いや、開けるだけで感染してしまうかもしれない。その戦艦にいる全ての人間が感染者予備軍となり果てる。ヒトを材料にしているのは虫が牛や豚などの家畜には感染しないからか、それとも……完全版プロジェクトFATEの技術が手に入った事で、これまでのクローンを廃棄するついでに利用しているのか……」
「クローンが……食糧に……缶詰に……」
「そして感染は最初の一人から始まり、十になり、百になっていく。謎の病魔で人間が次々と変異または死亡していく状況に、医者や学者達が威信をかけてその解明に挑み、やがてある共通点を見出す。感染者には全員リンカーコアがあると。それを受けて世論は、魔導師に近づくだけで死ぬ、という無意識の嫌悪感も入り混じった感情が溢れ出し、全ての魔導師は迫害されながら死に至る。……まいったねぇ、確かに魔導師だけを殺す点においてはあまりに効果的だ。……うん、効果的過ぎる。今だって、もし一つでも既に輸出されていたら、そしてそれが解放されでもしたら、いとも簡単に魔導師が生きられない世界に作り変えられてしまう。高ランクであればある程死にやすい世界……スカルフェイスがこれ以上手を下さずとも、たった一つの缶詰だけで魔導文化は終焉を迎える……」
「そんな……」
「それとね、丁度良い機会だからフェイトにはもう一つ大事な話をしておく。ビーティーがなぜプレシアにあそこまでの憎悪を抱いてるのか、なぜ私達が来る前からこの世界で戦っていたのか、その答えがこれだよ。復讐に身を焦がしていた彼女だが、プレシアとアリシアがフェンサリルに拉致されてきた事はそもそも知らなかった。フェイトと遭遇したのも本人にとっては全くの偶然だった。じゃあなぜフェンサリルにいたのか、それは独自のルートでクローンが利用されている情報を掴んだからなんだ。そして上手くいけば救出、もしくは楽にしてやるつもりで戦ってきた。そこに核兵器の話を聞いた私達が割り込んできて、状況的にスカルフェイスを優先させてしまったが、元々彼女も彼らクローンを救うために来ていた訳だよ。フェイトの信念と同じように……」
「私と同じ……。ビー
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