アポカリプス
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を切り換え、調査を再開した。施設のコントロールルームは別の場所にあるらしく、とりあえず通路の道なりに進むことでベルトコンベアをさかのぼっていく。そして最初の作業工程が行われている部屋に続く扉の前に一行は着き、隣でガラス越しに見える血の滴る生肉になのはとフェイトは嫌そうな目を向ける。
「うぅ〜……作ってる所は見たくないよ……」
「あれって、なんの肉なんだろう……」
「………………」
「姉御、さっきからずっと顔色が悪いけど、大丈夫か?」
「もしかして体調でも崩した?」
「…………え? あ、ううん……ちょっと考え事してただけ。心配してくれてありがとね、アギト、ジャンゴさん。私は、大丈夫だから……」
そう言いながらも、マキナは悪寒が拭えずにいた。管理局のレーション、食糧倉庫の缶詰、一つしかない生産ライン、同じ缶詰……これまでに把握した無数の点と点が繋がっていき、彼女はある恐ろしい想像に達していたのである。
「ねぇ、早く次の部屋に……」
「待つんだ、なのは」
「え、マキナちゃん?」
「急に呼び止めてごめん。ただ……今の内に覚悟しておいた方が良いと思って。特にフェイト」
「私?」
「この先に何があるのかは私もわからない。だけど……だけどもし私の予想が正しかったら、この先には地獄が待っている。その衝撃はリニスの時に匹敵……いや、それをも越えるかもしれないんだ」
「珍しいね、マキナがそんな怯えるような事を言うなんて。……わかった、私も覚悟しておくよ」
忠告を聞きいれてなのはとフェイトは深呼吸し、自分の心を鎮める。覚悟を一通り済ませた一行は意を決して、その扉を開けた。そして……地獄を見た。
「こ、これは……。ま、まさか……」
「そんな……。うそでしょ……」
ベルトコンベアで加工機械に運び込まれていたものの正体を見て、一行は耐え難い衝撃を受けた。口を覆い、吐き気を催し、全身が冷たくなる錯覚を抱き、先程の覚悟が木端微塵に砕かれる感覚に襲われた。
ヒトだ。
ヒトだった。
ヒトだった塊が運ばれていた。
機械で……グシャァっと加工されていた。
次から次へと……生産されていった。
「うっ………」
「な……何なの……。こ……これは……一体何なの!?」
たまらずうつ伏せになって嗚咽を漏らすフェイトと、残虐過ぎる光景になのはが理解できないと訴えるように尋ねる。脳のキャパシティを超えた衝撃にたまらずなのはは叫んでしまうが、それを止める者はいなかった。
「オイ……こいつら、微弱だが生命反応があるぞ。だけど……脳波が無い」
『つまり脳死状態ということか。既に意識が消失している以上、痛みや苦しみは感じずに済むのだが……』
だからと言っ
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