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リリなのinボクらの太陽サーガ
アポカリプス
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がすのを黙って見守る。そしてコンテナの中に手を突っ込んだマキナは、そこから小さな物体を取り出し、フェイトに投げ渡した。

「わっと! これって……缶詰?」

「思った通り、これは管理世界で広く流通している加工肉の缶詰だよ。安くて長期保存が効くって名目で大量に販売されてて、管理局でもレーションとして採用されている。長期出張した事がある局員なら誰でも口にした事があるぐらいのね。ほら、塩漬け、味噌煮、焼き鳥のタレ味、まだまだあるよ」

「待って、そんなポイポイ投げないで!? そ、それよりこれだけの缶詰がどうしてこんな所にあるんだろう?」

「さあ? アンデッドやスカルズの餌にでもしてたんじゃないの? いくら不死者でも維持させるためには食料が必要でしょ。こういった大量生産品なら多く買い占めた所で何らかの長期出張に備えてるだけだと思われるし、経費も安く済むからね。とはいえ、これほどの量を怪しまれずに搬送できたのは、復興支援という名目を使ったからなんだろう」

「以前、復興支援として物資や食料を運び込んでるって話を聞いたことがあるんだけど、まさかそれすらもカモフラージュに利用されてたなんて……」

「……あぁそうそう、カモフラージュと言えばフェイト。違法研究所でクローンが実験に使われてる場合、餓死させないためにこういった安物の食糧が仕入れられてる場合があるから、捜査の時は商品の流通ラインも見ておけば目安が付けやすくなるよ」

「そうなんだ……教えてくれてありがとう。執務官になるには、私もまだまだ学ぶことが多いね……」

マキナの考え方や行動は執務官にも通じるものがあるため、フェイトは些細な指摘をしっかり受け止めて自らの糧とした。

作戦前に昼食は済ませているため、これを食べるような真似はしなかった一行は、この食糧倉庫を通って先に進む。しかしそこで見たのは、食糧倉庫で見た缶詰がガラスで密閉されたベルトコンベアで流れながら生産されている光景だった。

「あれ? ここって、缶詰の生産工場だったの?」

「じゃあさっきの倉庫にあったコンテナは、ここで作った缶詰を輸送するために一時的に置いてただけ?」

「いや……おかしい。この教会が作られたのはごく最近なのに、ここで大量生産しているはずがない。それに、生産ラインも1つしか無いなんて変だ。……よく見ればベルトコンベアに使われてるゴムが全く摩耗していない、つまりここの設備はつい最近稼働し始めたことになる。だから倉庫にあるのは間違いなく輸入品なんだろうけど……、……ッ! ……もしかして……」

突如マキナが険しい表情を浮かべるが、「ま、まさかね……」と呟いて悪い予感を振り切るように首を振った。

「行こう、もっと先に行けば何かわかるはず」

ジャンゴの声で彼女達もひとまず意識
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