第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#21
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE? 〜Urban Strafe〜
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間違いなかった。
スタンドの真髄は、単純な破壊力でも能力でもなく
その 『応用力』 『創造力』 にこそ在るのだから。
やがて、周囲に警戒心を張り詰めつつもジワリジワリと流れていく時間に変化が生じた。
花京院とあの女 (ミス・マージョリーとか呼ばれていたが別にどうでもいい) が
逃げ込んだビルのエントランスに奇怪な、みようによっては滑稽なモノが出現した。
「……」
ソレは、灰色熊を平たく押し潰したような体型を持つ群青の獣。
真広く開いた口から覗く牙と異様に長い腕の先でギラつく爪は
確かに猛獣の脅威だがその反面、妙に短い股下と扁平な足先が作り物めいた
戯れを想わせる。
その凶悪とも諧謔とも取り難い獣の群が、
二足歩行でぞろぞろとエントランスのアーチから湧き出した。
「あの女、 “闇 蒼 の 月” の能力か……
おそらくあのフザけた獣の群を狙撃させ、
オレの 「位置」 を割り出そうという魂胆らしいが、浅いな。
我が 『マンハッタン・トランスファー』 にそのような死角はない」
スコープ越しに猛禽のような瞳を細め、口元を笑みの形に歪める狙撃者。
別段、今のままの 「装備」 でも銃声から位置を覚られる事はないが
ここは合理性と思い切りに沿った選択が取られた。
ジョンガリ・Aが潜む背後の室内、
ライフルとは別にショットガン、マグナム、グレネード弾、
バスーカ砲、ロケットランチャー、更には小型ミサイルの射出装置など、
手入れの行き届いた最新鋭の銃火器がズラリと並んでいる。
単品だけでも充分過ぎるほどの殺傷力を持つ兵器の数々、
直撃すれば 『スタンド使い』 だろうと “フレイムヘイズ” だろうと
跡形も残らない。
元軍の特殊部隊に属していたジョンガリ・A秘蔵のコレクションの一部だが、
コレらは彼のスタンド能力と交わるコトにより、更に悪魔的な性能を宿すに至る。
先刻、マージョリー渾身の焔儀を視ても彼が動じなかった理由はココに、
人間の “負の文明” は、その長い歴史の中で暴虐に練られ惨酷に研がれ
紅世の王すらも焼き尽くす火力へと到達していた。
(フッ、自在法だかなんだか知らんが、
一撃で木っ端微塵に吹き飛ばしてくれる。
爆風と熱風で鼓膜がイカれれば、オレの位置を探るどころではなかろう)
冷酷な熱が刻む微笑と共にライフルを置いた男が担ぎ出した兵器は、
先端に成形炸薬弾を直結した擲 弾 発 射 器。
無反動砲の原理を導入した砲身、化学エネルギーを流用した弾頭により、
戦車等の装甲戦闘車輌も一撃で焼けた鉄屑へと化しめる重火力兵器。
単発でも充分過ぎる程の破壊力を持つこの兵器に晒さ
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