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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第241話 不穏な影
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ゴリズムも優秀で、後方にいてもターゲットにされることもあった。……勿論、ランが一蹴。
「あはは……、皆ほんとにすごいね……」
「うん。私たち、必要だったのかなぁ……? 手助けできる余地がない気がするね……」
「それは言えてるな。あれは、モンスターたちにとっては宛ら暴風雨だ」
大群でも一蹴してしまって、視界の左上に表示されているHPバーを見ても殆ど減っていない。
「暴風雨みたい、だね。あれ……。んー、と言うよりは」
「脳筋パーティー?」
嵐の様に根こそぎモンスターたちを蹴散らしていくスリーピングナイツの面々を見た2人の感想がそれだ。自分達のパーティーの事を棚に上げてる気がするけど、それはご愛敬だろう。
「……リズとクラインがいたら、多分同じ事言ってるな。それにしてもアスナもレイナも大分辛口だな。辛辣なコメントだ」
「ええっ!? わ、わたし言ってないよー、リュウキくん!」
レイナは、苦笑いをしながら否定するけれど、その表情には全然説得力がない。
「ん。確かに言ってはいないが、間違いなく思っただろ? アスナに対して否定してなかったし、顔に出てたよ」
「そうだよレイっ、それに、お姉ちゃんだけ見捨てるなんてひどいよー」
「あぅっ」
色々とやり取りをした後で、3人もフォローへと向かった。
そして、そんなこんなで、迷宮区内を次々と突破していく。
迷宮区に限らず、基本建造物や自然洞窟等のエリアは、太陽と月の恩恵を受けられない為、翅を使う事が出来ない。つまり飛ぶ事が出来ず、移動速度にかなりの差が出来てしまう。その上、モンスターたちの強さもフィールドで出現する個体より、遥かに強力であり、
湧出
(
PoP
)
の速度もかなり向上。故に、それなりに時間はかかるのが普通……なのだが。
「……本当に大したものだな。やっぱり世界は広い」
「あ、あははは……」
「私たち、必要だったのかな……?」
ランとユウキを中心に、その実力はやはり舌を巻く想いだった。個々の戦闘力は言わずもがなであり、そして何よりも驚嘆したのは、見事、と言う言葉がぴったりな7人の連携技術だった。
言葉を交わさず、小さな身振り手振りだけで、あるいはアイコンタクトのみで、立ち止まる所は立ち止まり、突っ切る所は突っ切る。決して無駄のない連携攻撃は、鮮やかで滑らか。これじゃあ、逆にモンスター達が可哀想になってくるというものだ。
強制戦闘の時は、リュウキが即座に敵のリーダー格を見破り、その声に即座に反応して、あっという間に屠り……後は烏合の衆。
――ちょっとは手加減を……。
と、消えゆくモンスター達の嘆きがアスナ達の耳に届いた、と錯覚する様だった。
「やったー、やっつけたよー!」
「いぇーいっ!」
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